2017年03月13日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品ガイドハイパーコンバージェンス:政治的、技術的革命

ITコンポーネントを単一の中央管理型プラットフォームに集約する計画を立てているITリーダーのために、そのノウハウを解説する。

[Richard Fichera,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ハイパーコンバージェンスは、単に処理能力やストレージおよびデータ保護リソースを標準化されたモジュール型ノードに集約するだけでは到底とどまらないインパクトを伴う。

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 ハイパーコンバージド環境の真の威力は、デジタル製品の商品化にかかる期間を短縮しながら、拡張やプロビジョニング、管理業務を合理化できる点にある。ハイパーコンバージド環境では、デプロイされたシステムが演算やストレージ、ネットワーク、データ保護など複数のタスクを担う。つまり、そうした個々のタスクを専門的に担うIT要員の数は削減できる。これによってITプロフェッショナルを解放し、他の課題を担わせることが可能になる。

ハイパーコンバージェンスで変化するストレージ調達と管理の役割

 ハイパーコンバージド環境を採用する組織の多くは、プロプライエタリなストレージアレイを導入して管理と最適化のコストを費やすことなく、従来のようなストレージシステムの恩恵を追求しようとする。だがハイパーコンバージド環境を選択したITリーダーは、内部の保身的駆け引きに注意しなければならない。ストレージやサーバのエンジニアは、独立して調達の決定をすることに慣れている。だがハイパーコンバージド環境では、そうしたエンジニアがクラウドや仮想化の担当者に大きく依存しなければならなくなる。

 もしハイパーコンバージドの道を行くなら、やり方を変えなければならないことが幾つかある。まず、調達は共同責任で行う。サーバ、ストレージ、ネットワーキングクラウド運用、アプリケーションチームが共同でソリューションを評価し、調達しなければならない。

 仮想化が進んでいてストレージニーズが適度な中堅企業であれば、ストレージニーズと演算処理ニーズのほぼ全てをハイパーコンバージド環境で対応できる。大企業の場合、仮想マシンのための主なストレージニーズはハイパーコンバージド環境でカバーできるが、非構造化データのためにスケールアウトNASとオブジェクトストレージ、クラウドストレージサービスを使うことになるだろう。長期的には、高性能の大容量アーカイブおよびファイルストレージの用途で外部ストレージシステムを利用する必要がある。

 第2に必要な変化は、サプライヤーによる囲い込みを受け入れることだ。ハイパーコンバージェンスは便利だが、これは特に、ハイパーコンバージド製品の中核をなすソフトウェア定義ストレージのレベルで、企業をプロプライエタリなプラットフォームに閉じ込める。

 ITプロフェッショナルはいずれ、スタックの全段階で最高の製品を組み合わせるやり方から、基盤となる最高のハードウェアを選定し、その上に統合型ハイパーコンバージド製品の層を重ねるやり方へと移行しなければならない。ここからは、初期に統合・設計されたシステムで始まった、より高いレベルのインテグレーションへと向かうトレンドが続く。

 次にストレージプロビジョニングの役割と責任、運用を抜本的に変更する。大型インフラを持つITチームは、関係者から相次ぐ差し迫った要望に対応するため、既に日常のストレージプロビジョニング作業をストレージ管理者から仮想化管理者へと移行させている。

 ストレージ管理者は容量の相当部分を仮想化管理者に割り当ててきた。仮想化管理者はその容量を使って日常のプロビジョニング需要に対応している。さらに進んで、グローバルカタログをベースに自動プロビジョニングが行われるプライベートやハイブリッドクラウドに踏み込むと、さらに抜本的な役割の変更が必要になる。

 ハイパーコンバージド環境では、プロセッサ、メモリ、ストレージリソースを集約して標準化し、全てのストレージ制御ロジックを中央のソフトウェアに統合することから、自動化が促進される。専用のストレージプロセッサや組み込みソフトウェアに依存することはない。

 Forrester Researchの2014年の調査「Business technographics global infrastructure survey」によると、ハイパーコンバージドシステムは統合管理の用途で明らかに関心が高く、技術に関する意思決定権者の91%が、統合型ストレージと仮想化管理に意欲を示した。この指向はITプロフェッショナルが継続的に運用コスト削減のプレッシャーを受けている表れといえる。

 最後に、組織はITチームのスキルをシフトしなければならない。Forresterは何年も前から、第1世代のコンバージドインフラを採用してきたCisco Systems、HP、IBMといった企業で早くもITの垣根が崩壊したことを示す事例を確認している。ハイパーコンバージドシステムの導入によって、特にストレージの領域で、根底にある管理の複雑性が取り去られることから、このトレンドは加速するとForresterは予想している。

ハイパーコンバージェンスが支援する技術アクセシビリティ

 ハイパーコンバージドストレージには、スケールアウトストレージ、インラインデータ重複排除、クローニング、クロスドメイン管理インテグレーションなど、技術の先端を行く多数の機能が含まれる。だがハイパーコンバージェンスの最大の価値は、そのいずれの機能でもない。

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