導入意欲が高いクラウドバックアップサービス、その理由と懸念とはITインフラの運用管理に関する調査レポート

2017年7〜8月に「ITインフラの運用管理に関する読者調査」を実施した。本レポートでは、特に運用管理担当者の課題を中心に調査結果の概要をまとめる。

2017年10月02日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 TechTargetジャパンでは2017年7月18日〜8月2日にかけて、TechTargetジャパン会員とキーマンズネット会員を対象に「ITインフラの運用管理に関するアンケート調査」を実施した。アンケートはTechTargetジャパン会員とキーマンズネット会員のうち、IT製品・サービスの導入に関与する方を対象としたもの。

その結果からは、企業が導入しているバックアップ/リカバリ関連製品とサービスの現状、クラウドバックアップサービスの導入に対する考え、そしてこれから予定している関連投資計画などが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定で閲覧可能)。

調査概要

目的:TechTargetジャパン会員とキーマンズネット会員で、IT製品・サービスの導入に関与する方を対象に、 「ITインフラの運用管理」について調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象:TechTargetジャパン会員、キーマンズネット会員

調査期間:2017年7月18日(火)〜 8月2日(水)

総回答数:367件

※ 回答の比率(%)は小数点第1位または第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


ITインフラ運用管理業務、皆の悩みは「人手不足」「技術不足」、対策は見つからず

 現在担当しているITインフラの運用管理業務でどのような課題があるかを問う設問では、「人手が足りていない」(47.1%)、「社内に詳しい人材が少ない」(38.4%)、「セキュリティ対策が不十分」(33.2%)の順であった。次いで「運用レベルを上げたいが出来ていない」「コストが掛かりすぎている」がいずれも30.8%となった。

ITインフラの運用管理についての課題《クリックで拡大》

 そこで、どのように悩み(課題)を解決しようとしているかを聞いたところ、「人材育成」が最多で38.4%であった。「人材の採用」は23.2%あり、何らかの方法でスキルのある人材を確保しようとしていることが見て取れる。悩みの上位が「人材不足」「技術不足」であったことから、人材育成や人材確保に注力する回答者が多かったのは至極納得のいく結果であった。この他、「運用自動化ツールの導入」(24.8%)、「統合運用管理ツールの新規導入またはリプレース」(19.4%)などの回答があった。統合運用管理ツールなどを使った運用管理の効率化や自動化も検討企業が多いようだ。

統合運用管理ツールは過半数が「必要性を感じているが導入時期は未定」

 そこで、回答者全員に統合運用管理ツールの導入状況を聞いたところ、「導入済み(23.7%)」「新規に導入予定(3.8%)」で合計27.5%であった一方、「必要性を感じているが導入時期は未定」が半数をやや上回る50.1%であった。課題を感じながらも導入に踏み切れていない企業が多いことがうかがえる。

統合運用管理ツールの導入状況《クリックで拡大》

統合運用管理ツール導入の効果は

 統合運用管理ツールを導入済みの企業では、導入の効果を得られているのか。ツール導入後の環境の変化について、業務負荷と担当人員の変動の状況を聞いた。

 業務負荷に関しては統合運用管理ツールの導入で負荷を低減できたとする回答(「業務負荷が減った」)が44.3%で、かろうじて第1位になったが、「増えた」(30.0%)、「変わらない」(25.7%)との差はわずかであった。

 担当人員の増減については、「変わらない」(70.0%)、「減った」(22.9%)、「増えた」(7.1%)の順となった。

統合運用管理ツールによる負荷の低減《クリックで拡大》

新規導入・リプレースではコスト削減が理由の上位にランクイン

 統合運用管理を導入済み、導入予定とした回答者に、導入のきっかけを聞いた。既に導入している統合運用管理ツールでは、「運用管理の一元化」(61.4%)、「業務の自動化」(40.0%)、「ハードウェアをリプレースするタイミング」(28.6%)の順となった。

統合運用管理ツール導入のきっかけ《クリックで拡大》

 一方、今後導入予定、またはリプレース予定とする回答者に同様にきっかけを聞いたところ、「運用管理の一元化」(59.7%)、「運用管理費の削減」(41.5%)、「業務の自動化」(40.9%)、「セキュリティ強化」(35.7%)の順となった。

 既存の運用管理ツールと比較すると、「運用管理の一元化」が第1位であることには変わりはないが、「運用管理費の削減」が上位にランクインしている点、デバイスの多様化への対応を挙げる回答者が多い点が特徴的だ。

統合運用管理ツールを今後導入予定、またはリプレース予定の回答者の動機《クリックで拡大》

 その他、回答者の詳細な属性、バックアップサービスの対象となるシステムや導入するベンダーのシェアなど、本稿で紹介できなかった内容も含めた調査レポートの完全版を提供している。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。

読者調査レポート

「ITインフラの運用管理」に関するアンケート

TechTargetジャパン会員とキーマンズネット会員を対象に、企業の「ITインフラの運用管理」に関する読者調査を実施した。本レポートは、読者の勤務先における「ITインフラの運用管理」に関するツールの業務利用状況などをまとめている