2018年03月22日 08時00分 公開
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CW:Windows 7サポート終了まで残り2年Windows 10はIT部門が責任を放棄するチャンス

業界の専門家は、口をそろえてWindows 10への移行を勧めている。Windows 10への移行はIT管理のパラダイムシフトを促し、「IT部門が責任を放棄するチャンスだ」という。しかし、IT部門の仕事は終わらない。

[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 IT部門の2018年の最優先事項はWindows 10への移行だ。Windows 7のサポートが2020年に終了するのに備えるためだ。

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 本誌Computer WeeklyがTechTargetと合同で実施した「IT優先度調査」2018年の結果が明らかになった。それによると、Windows 7の延長サポート終了まで2年を切り、調査に回答を寄せた企業の44%が2018年にWindows 10に移行する予定だという。

 この移行は、2018年の大きなプロジェクトの1つになる。移行後もアプリケーションが稼働することを確認する以外にも必要な作業がある。Windows 10の使用開始を機にデスクトップITの運用方法を変更するように、専門家はIT部門に促している。

 Microsoftは、アプリケーションがWindows 10でも動作するかどうかを確認するのに役立つ「Windowsアセスメント&デプロイメントキット」(Windows ADK)を提供している。このキットには、「Compatibility Administrator」というツールが含まれている。Windows 10でWindows 7環境をシミュレートする互換性モードで、レガシーアプリケーションを強制的に実行させることができる。

 ソフトウェア資産管理会社Flexeraの公式ブログに、Windows 10移行プロジェクトの複雑さに注目した記事がある。そこには次のような記述がある。「OS移行で、恐らく最も難しい部分の1つとなるのが、ユーザーが依存しているアプリケーションの移行処理だろう。大半の企業はこの処理について、展開プロセスで標準アプリケーションの基本セットを提供し、追加のアプリケーションはイメージプロセスの後で1回だけインストールを実行するという方法で対処している。

 このアプローチには恐ろしく時間がかかる。言い換えると、エンドユーザーがコンピュータを使用できない時間が長くなる。また同時に、ユーザーが必要としているアプリケーションが、新規作成されたコンピュータイメージの一環として稼働することをシステム管理者が保証するための貴重な時間も失うことになる」

 アプリストアの「Microsoft Store」にアクセスすれば、アプリケーションの展開を簡素化できる。インストールするアプリケーションをユーザーが選択する方式だ。ただし最近まで、このアプリストアは一般に公開されているアプリしか扱えず、社内アプリケーションはサポートしていなかった。

 だが2017年9月、Microsoftは「ビジネスおよび教育機関向けMicrosoft Store」を発表した。同社は以下のようにコメントしている。「システム管理者がプライベートストアにアプリケーションを追加すると、組織の従業員がアプリケーションを確認し、ダウンロードできる。プライベートストアはMicrosoft Storeアプリケーションのタブとして表示され、そのタブには会社や組織の名前が付けられる。プライベートストアには、オンラインライセンスを所有しているアプリしか追加できない」

 2018年IT優先度調査の報告書には、デスクトップやアプリケーションをサービス(クラウド)として実装する予定だと回答した企業が35%を記録したという記述もある。

 この数字は、Windows 10への移行が関係している。Windows 10のビジネスおよび教育機関向けMicrosoft Storeは、IT管理者がクラウドサブスクリプションを管理する手段として利用できるためだ。

セキュリティの改善

 調査会社Gartnerが2017年に実施した調査によると、企業がWindows 10への移行を決断した理由はセキュリティの向上(49%)が最も多く、次に多かったのが「クラウドとの統合機能を利用したい」(38%)だった。

 この調査の実施当時、同社のリサーチディレクターのランジット・アトワル氏は次のように説明した。「企業はWindows 10への移行の必要性を認識している。Windows 10の評価と導入に要した時間は、当社が調査を実施した2015年〜2016年の1年間で、23カ月から21カ月に短縮された。大企業は既にWindows 10のアップグレードに取り掛かっているか、2018年までアップグレードを延期している。この現象は、レガシーアプリケーションをWindows 10に移行させる、またはWindows 10の移行を実施する前にレガシーアプリケーションをリプレースするという企業の戦略の表れだろう」

 2016年12月、調査会社ForresterはMicrosoftからの依頼で、Windows 10が経済全般に及ぼす影響に関する調査を実施した。「BitLocker」「Windows Defender」「Windows Hello」「Credential Guard」など、セキュリティ関連で新たに追加された機能や改善された機能により、セキュリティインシデントの件数が3分の1減少したことが、この調査で判明した。

IT運用の改善

 専門家は、デスクトップIT環境を再考する機会としてWindows 10を使用することを強く勧めている。ITサービス企業のComputacenterが公開したホワイトペーパーで、調査会社IDCのアソシエイトバイスプレジデント、ライオネル・ラミー氏が、Windows 10をMicrosoftが定期的に自動更新する「エバーグリーンコンピューティング」の構想を説明している。「(エバーグリーンコンピューティングでは)中止や一時停止というオプションはない。IT部門は修正やコピーの戦略を立てておき、テスト、セキュリティ、保証が常時提供されているかどうかを確認しなければならない」と同氏は説明する。「ロボティクスやプロセスの自動化が役立つかもしれない」

 Windows 10を導入することで、IT部門の業務自体も、プロセスやサポートの面で様変わりするとラミー氏は予測する。

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