2018年07月12日 08時00分 公開
特集/連載

AI導入時に考えるべきことAIを導入するのは「より安く・速く」するためではない

AIが実用化され、人々の関心は事業の実情に移りつつある。フォルクスワーゲンのブラッドショー氏は、AIによって「より安く・速く」することよりも考えるべきことがあると言う。

[Beverley Head,Computer Weekly]

 人工知能(AI)は研究室を飛び出し、オーストラリアのシドニーで今回17回目を迎えるIT見本市『CeBIT Australia』で脚光を浴びた。

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 注目を集めたのはbotとスマートゴルフカートのデモだった。だがカンファレンスのセッションで参加者が目を向けていたのは、AIを使って既に実現されている事業の実情だった。

 オンライン専用銀行のUBankでデジタル部門を率いるジェレミー・ハバード氏は、同銀行が現在運用する2つのAIプロジェクトの概要を説明した。1つは、住宅ローン申請者をサポートするチャットbot。もう1つは、顧客からの問い合わせに行員が対応できるようにサポートするAIサービスだ。このAIは、1000部のドキュメントから得た洞察に基づいているという。

 ハバード氏は次のように話す。「AIサービスは、6人のチームが12週間かけて構築した。一方、顧客に対応するチャットbotは8週間足らずで現場に導入され、初期試行期間中に顧客からの質問の80%に答えた。顧客転換率は15%上昇した」

 UBankでは少人数のチームが数週間程度でチャットbotを構築したが、親銀行のNational Australia Bank(NAB)では事情が異なる。

 NABで顧客向けにビジネスサポートを提供する部門のゼネラルマネジャーを務めるクレイグ・スウィンバーン氏は次のように話す。「当銀行は2018年にチャットbotをリリースした。だが、音声インタフェースにもこれまで以上に力を注ぎ、さらに将来はデータをうまく生かして顧客個人に合わせた提案ができるようにする予定だ」

 「チャットbotのようなシンプルなものでも、試行して構築するのは難しく、多くの作業を要する。その上、事業としてはAIが大きな変革を起こす可能性がある他の分野も探す必要がある」と同氏は付け加えた。

AIを使った実験

 課題があるとしても、スウィンバーン氏はAIを使って可能な限り実験してみることを勧める。この分野は比較的スキルが不足しており、先行するメリットがあるためだ。

 スウィンバーン氏の意見に同調するのは、Volkswagen Group Australiaで顧客部門主任を務めるジェイソン・ブラッドショー氏だ。同氏は、AIが組織にメリットをもたらす仕組みを評価することが重要になると語った。例えば、同社ではチャットbotがあまり効果を挙げなかったという。同社は気まぐれに来社する顧客を相手にするためだと同氏は説明する。

 そこで、Volkswagen Group Australiaは「Qualtrics」と「Salesforce Einstein」を利用して、顧客の行動を理解し、適切なタイミングで適切な情報を顧客に提供できるようにしている。

 米国のVolkswagenは、顧客が仮想アシスタントの「Amazon Alexa」を使って車両サービスを予約できるようにしている。だが、ブラッドショー氏はこれをオーストラリアですぐに実現することはできないと言う。

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