「VPN」(仮想プライベートネットワーク)は、安全なデータ伝送を実現するための技術だ。主要なVPNには、回線にインターネットを利用する「インターネットVPN」と、通信事業者の閉域網を利用する「IP-VPN」に大別できる。より身近なインターネットVPNは、パブリックネットワークであるインターネットでやりとりするデータの保護に利用する。(続きはページの末尾にあります)
安全なリモートアクセスを支えてきた「VPN」は、テレワークの拡大で“ある弱点”をあらわにした。それは何なのか。脱VPNに踏み切る場合に選択できる代替策とは。
クラウドコンピューティングの職はますますAWSの専門知識を必要とするようになっている。詳細はさまざまだが、求職者が希望の職に就くためには、現場で実務経験を積む必要がありそうだ。
インターネットVPNは、インターネットに仮想的なプライベートネットワークを構築し、インターネットで安全にデータを伝送できるようにする。インターネットVPNを使用すると、インターネット通信時のプライバシーを保護できる。
通信路を暗号化していない公衆無線LANサービスは、通信内容を盗聴する目的で攻撃者に利用されることがある。インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、エンドユーザーの個人情報やアクセス履歴を扱っており、プライバシーに関する問題を起こす可能性がある。
インターネットVPNは、エンドユーザーのWebブラウザの閲覧履歴やIPアドレス、地理的な位置情報、デバイス情報などを、盗聴から保護しながらインターネットでやりとりできるようにする。インターネットVPNユーザーは、プライバシー侵害のリスクから身を守ることができる。
主なインターネットVPNの構成技術として、トンネリングプロトコルと暗号化技術が挙げられる。トンネリングプロトコルはデータ伝送のための仮想的な専用回線(トンネル)を構築する。暗号化技術は送信側でパケット(データの伝送単位)を暗号化し、受信側で復号することで伝送中のデータを守る。送信側と受信側のIPアドレスも保護するので、インターネット利用時の匿名性を強化することが可能だ。インターネットVPNを利用する際には一般的に、PCやモバイル端末にインストールするVPNアプリケーションが必要になる。
Webブラウザのプライベートブラウジング(シークレットモード)とインターネットVPNは、いずれもWebブラウザ利用時のプライバシーを守るために利用できる。ただし両者を混同してはいけない。プライベートブラウジングは暗号化ではなく、個人を特定できるデータが収集されないようにするための、Webブラウザの設定の一つにすぎないからだ。
VPNはあらゆる企業にとって重要なツールになっている。VPNは機密度の高い企業データの暗号化、セキュリティが確保されたリモートアクセスの提供、公共Wi-Fiのセキュリティ強化、匿名Webブラウズの許可、ジオブロック(訳注:特定地域での利用を禁止すること)の回避など、多くのメリットを提供する。
だが、適切なVPNを選ぶのは難しい。ところが、幾つか簡単な質問をするだけで最善のVPNを購入できる可能性がある。
VPNを探すと、多種多様なプロバイダーが参入していることが分かる。VPN市場には未知の企業が多数ある。その企業の製品のレビューを読み、正直な意見を確認することが重要だ。ただし、その製品を支持するレビューは有償で作成されているものも多い。
レビューを読むだけでなく、VPNを利用することによるリスクを理解することも必要だ。めったにないことだが、ソフトウェアにトラッカーが組み込まれているVPNや、マルウェアに感染するVPNさえある。適切なソリューションを見つける鍵は各プロバイダーを詳しく調べることだ。
全てのトラフィックはサービスプロバイダーを介してルーティングされる。VPN使用時のプライバシーへの影響に配慮することも重要だ。