2006年07月11日 08時54分 公開
特集/連載

買収される企業では「誠実さ」が団結力を強化Case Study

自分の会社が買収されようとしていることを知ったとき、サム・ラモニカ氏は逃げ出したりはしなかった。結果的に、「誠実さ」と「オープンなコミュニケーション」が生き残りの鍵になった。

[TechTarget]

 自分の会社が買収されようとしていることを知ったとき、サム・ラモニカ氏は逃げ出したりはしなかった。その代わりに、同氏は企業買収時には珍しいアプローチを取った。同氏は「誠実さ」を貫いたのだ。

 ラモニカ氏はカリフォルニア州レッドウッドシティーに拠点を置く年間売上高が8億8000万ドル規模の請負/エンジニアリング業者、ルドルフ&スレッテンのCIOを務めている。同氏によれば、事実、「誠実さ」と「オープンなコミュニケーション」は生き残りの鍵になるという。CIOは自分のチームに十分に情報を伝達し、その一方では、買収する側の企業に対して、自社の長所と短所を明確に示す必要がある。

 自分の会社が買収されようとしていることを知ったとき、サム・ラモニカ氏は逃げ出したりはしなかった。その代わりに、同氏は企業買収時には珍しいアプローチを取った。同氏は「誠実さ」を貫いたのだ。

 ラモニカ氏はカリフォルニア州レッドウッドシティーに拠点を置く年間売上高が8億8000万ドル規模の請負/エンジニアリング業者、ルドルフ&スレッテンのCIOを務めている。同氏によれば、事実、「誠実さ」と「オープンなコミュニケーション」は生き残りの鍵になるという。CIOは自分のチームに十分に情報を伝達し、その一方では、買収する側の企業に対して、自社の長所と短所を明確に示す必要がある。

 「チームのメンバーを殻に閉じこもらせては駄目だ。買収されるからと言って、全面的な防戦態勢を取るべきではない」とラモニカ氏。

 ラモニカ氏は先ごろカリフォルニア州カールズバッドで開催された年次カンファレンス「CIO Decisions Conference」において、同氏が昨年11月のペリーニによる買収をどう切り抜けたかを説明した。ペリーニは、マサチューセッツ州フレーミングハムに拠点を置く年間売上高が18億ドル規模の建設会社だ。

 ラモニカ氏によれば、CIOは自社の「欠点」を隠すべきではない。なぜなら、「それが、あるがままの姿」だからだ。その代わりに、CIOはIT部門の戦略上の重要性を買い手に強調すべきだ、と同氏は指摘している。

 ラモニカ氏はペリーニによる買収に際し、自社の技術的優勢を活かすことに力を注いだ。同氏は、親会社となるペリーニ(ルドルフ&スレッテンは現在ペリーニの完全子会社となっている)に自社の技術を確実に理解してもらうべく、同社との話し合いに多くの時間を費やした。

 その結果、ラモニカ氏のチームは自分たちの役割が以前よりも拡大したと感じている。同チームは今では、新しい親会社のさまざまな部門にサービスとシステムを提供するようになっている。

 買収する側の企業に対してオープンに接することだけが、生き残りの唯一の鍵ではない。CIOはうわべを取り繕うことなく、自分たちのチームを団結させなければならない。

 「私は誰のポストが失われる可能性があるかに関しては、自分のチームに対して、情け容赦のないほど率直でいた」とラモニカ氏。同氏のチームでは、ある従業員が噂の段階で自ら退職し(この従業員は事態の進展を確認するまで待つことを望まなかった)、そのほかに1名が一時解雇された。「私は自分のチームに憶測や不安を招きたくなかった」と同氏は語っている。

 ペリーニから買収を持ち掛けられた時点で、ルドルフ&スレッテンには作業中の建設現場が50件もあった。それだけ多くのリモート社員を抱えていたせいもあり、社内にはさまざまな憶測が飛び交った。そこでラモニカ氏はそうした噂を1つにまとめるためのオンラインフォーラムを開設し、そのフォーラムであらゆる噂について話し合い、検証し、誤りを正せるようにした。

 「イントラネット、電子メール、ビデオ会議など、持っているツールを何でも使って、情報を絶えず流し続けるべきだ」とラモニカ氏。さらに同氏は臨時の会合をたびたび開き、すべてのスタッフに最新の情報を伝達できるようにした。

 またCIOは自分の未来の雇用主について知る必要がある、とラモニカ氏は忠告している。同氏は、ペリーニがルドルフ&スレッテンの買収に関心を抱いていることを知るやいなや、この新しい親会社の企業文化について知り得る限りのことを把握しようとした。

 同族会社であるルドルフ&スレッテンの従業員らは、大規模な株式公開企業に吸収合併されることに不安を抱いていた。不安や不確実さ、疑念と戦う際に鍵となるのは、買収する側の企業の文化を理解することだ、とラモニカ氏は指摘している。

 「企業文化とスタッフの統合の問題については多くの研究が行われている。重要なのは、人的要因だ。われわれは早期から、スタッフの問題の解決に多くの時間とエネルギーを費やした」と同氏

 ニュージャージー州モントベールの食品メーカー、ファーベスト−トールマンフーズの情報システム担当ディレクター、フランク・ボルペ氏は、「自分も買収を経験したことがあるが、よその会社の企業文化を正しく理解するのは難しい」と語っている。年次リポートやインターネットで調べれば、少しは情報を得られるだろう。そして、CIOはほかの企業の仲間から情報収集し、情報交換のネットワークを活用することもできるだろう、と同氏は語っている。

 ボルペ氏は以前勤めていた会社での経験を振り返り、次のように語っている。「本来なら、自分たちの価値を示すべきときなのに、実際には、防御態勢に入ってしまう」

 だが、努力しようにも、CIOに残された時間はそれほど多くないこともある。ただし、たとえ買収が迫っているにしても、CIOは常にチームプレイヤーであり続けるべきだ。

 「私が初めて買収を経験したときには、本当の吸収合併だった。何をしてもだめだった。私は地道に何とか最後までとどまった。IT業界は小さなコミュニティーだから、退却の道を残しておいた方がいい」とボルペ氏は語っている。

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