SAP R/3をベースに構築されたナブテスコの基幹システムは、同社の生産活動に関わるほぼすべての業務処理を担っている。しかし、UNIXサーバを基盤とする同システムの運用コストは膨らんでいく一方であり、企業合併後の経営強化のためにも、TCO(Total Cost of Ownership:所有総コスト)の削減が急がれていた。そこで同社が選択したのが、運用基盤をデルのIA(インテル・アーキテクチャ)サーバに全面刷新し、基幹システムをWindows環境にマイグレーションするという方法である。
2004年9月、ティーエスコーポレーション(旧帝人製機)とナブコの両社を吸収合併して誕生した産業用/精密機器メーカー。独創的なモーション・コントロール技術を活用し、精密機器分野では産業用ロボットの関節部分、輸送機器では新幹線のブレーキ装置、ドア開閉装置など、さまざまな分野の製品、部品で国内外のトップシェアを獲得している。主要事業は7つの社内カンパニー制度で運営され、全国の7カ所の製造拠点で展開している。
2004年9月に旧帝人製機とナブコが合併し、新たなスタートを切ったナブテスコ。「モーション・コントロール」をキーワードに、精密機器、輸送用機器、航空・油圧機器、産業用機器といった分野で、独創性の高い製品開発を推進している。このナブテスコの基幹業務を旧帝人製機の時代から支えてきたのがSAP R/3である。同社総務・人事本部で情報システム部システムセンター参事である松本 康夫氏は、同システムの重要性について次のように語る。
「運用中のSAP R/3は、我々“生産”に関するあらゆる業務処理を担っています。そのため、もしも何らかの障害でシステムがダウンしてしまった場合、半日後には生産が完全にストップしてしまう部門もあるのです」
だが、この基幹システムを今後もそのまま使い続けることには問題が生じてきた。同社総務・人事本部の情報システム部長を務める石塚 映氏は、当時の状況を次のように振り返る。
「合併後もSAP R/3をUNIXサーバ(HP-UX)で運用してきましたが、高額な保守コストが経営の負担になってきました。また、近い将来に旧ナブコの基幹システムとの統合を予定していましたが、十分なパフォーマンスを確保するためにはUNIXサーバでは調達コストが膨らみすぎるのです」
一方、システム運用の観点からも、UNIXサーバにはさまざまな懸念があった。同社総務・人事本部情報システム部システムセンターの白石 和也氏は、その不安を次のように語る。
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制作:ITmedia +D 編集部