特集・日本の激論では、一般企業のITマネジャーを対象に、自社が要求するシステムを正確に構築するためのRFP(提案依頼書)作成の入門記事を、全4回で展開する。今回は、その3回目。一般企業におけるIT投資は、当初見込んでいた効果が十分に実現できないケースが多々ある。また、システムを構築してから、企業サイドの要求と実現したシステムにずれがあり、大幅な手直しが必要となるケースも多い。要望を提案依頼書にまとめていく手順について理解しよう。
社内コミュニケーションとは、自社のIT調達に関して利害関係(要望)を有する者たちの合意形成プロセスである。利害関係者とは、トップ、ミドル、担当および情報システム部門である。RFPは、それぞれの登場人物たちの合意形成プロセスの結果として作成されるものであり、決して情報システム部門の専管事項にあらず、ということを第1回で強調した。この合意形成プロセスの全体像は、次のように(1)調達プロセス、(2)登場人物、(3)合意内容の3組で整理できる。
それぞれの立場の要望をRFPにまとめるにあたっては、特に下記の業務フローと業務要件とシステム要件が主たる合意内容となる。
このフェーズの合意内容は、IT調達の必要性、費用対効果、達成目標などの目的価値に関する経営トップの意志である。この目的価値をどのような手法で可視化していくか?
このテーマについては、書店に経営戦略手法の本があふれている。例えば「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌(ダイヤモンド社)などが海外の知見を次々と紹介してくれる。それらの中で筆者は、「バランススコアカード(BSC)」と「強み弱み・順風逆風」(SWOT)分析を実践的に参考にしている。なぜかといえば、この手法は関係者参加による合意形成に向いているからである。具体的には、ポストイット紙などのカードを使って体を動かしながらワイワイ、ガヤガヤとブレーンストーミングを行い、カードを整理し、壁などを利用して合意内容をビジュアルに可視化できるのがよいと思う。
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