WANの冗長化:バックアップ回線のためのルータColumn

バックアップWAN回線が必要になった場合、ルータは1台にすべきか2台必要か? 重要なのは、実際の冗長性要件を理解することだ。

2006年08月11日 08時30分 公開
[Tom Lancaster,TechTarget]

 2つの拠点間で冗長性を確保するためのバックアップWAN回線が必要になった企業がしばしば直面するのが、各回線に1台ずつ、計2台のルータを配備すべきなのか、それとも両方の回線を1台のルータに接続すべきなのかという問題である。ここでは、この判断を左右すると思われる幾つかの要因を検討する。

 最も重要なのは、自社の実際の冗長性要件をしっかりと理解することである。ネットワークの可用性に関する社内の期待を適切に設定する必要があるからだ。これは、「イエスかノーか」という二元論的な記述(例えば、「Xというネットワークコンポーネントは冗長である(もしくは冗長でない)」など)を設計時点で指定するのではなく、アップタイムの割合(例えば、「フォーナイン(99.99%)あるいはファイブナイン(99.999%)の可用性がある」など)といった形で表現される連続体のどこかに設定される目標としてとらえるべきである。なぜなら、あなたの設計の意味するところを社内で知っているのは、多分あなただけだからだ。

 障害が時々発生するが、迅速かつ簡単に原因を突き止め、サービスを復旧することができる非常にシンプルな非冗長型ネットワークを設計することもできれば、2〜3台のデバイスに障害が発生しようとも、めったにサービスが停止することがないような非常に複雑な冗長型スキームを設計することもできるだろう。しかし後者の場合、いったんダウンすると、問題を特定するのに時間がかかり、結果、サービスの停止が長期化することになる。

 そこで問題になるのが、あなたの会社の場合、1年で何度か発生する短時間のサービス停止を我慢するのと、年に1度の大規模かつ厄介なサービス停止を受け入れるのでは、どちらを選ぶのかということである。

関連ホワイトペーパー

ルータ | バックアップ | アベイラビリティ


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news067.jpg

「単なるスポーツ広告ではない」 Nikeの27年ぶりスーパーボウルCMは何がすごかった?
Nikeが27年ぶりにスーパーボウルCMに復帰し、注目を集めた。

news082.png

Z世代と上の世代で利用率の差が大きいSNSトップ3 1位「TikTok」、2位「Instagram」、3位は?
サイバーエージェント次世代生活研究所が実施した「2024年Z世代SNS利用率調査」の結果が...

news187.jpg

主戦場は「テレビ画面」へ YouTube20周年でCEOが公開書簡
20周年を迎えるYouTubeが、クリエイターとユーザーの双方にとってより魅力的で革新的なプ...