ソフトウェア開発業界を崩壊の危機に陥れているのが「デグレード」だ。改善であるはずのバグ修正が、実際にはさらなるバグの発生や、作業前より品質が低下するという惨事を招く。加えて、無駄な作業が繰り返されている開発現場の体制も、トラブルに拍車をかけている。
近年のソフトウェアは品質や機能の向上を求められる傾向があり、それに伴いプログラムも複雑化している。納期は短縮化が目立っており、開発者の人数はそのままに、厳しいスケジュールが組まれている。
一方で、開発現場では無駄な作業が多い。直していたバグ情報が実は古かった、せっかく修正したソースコードが別の開発者に上書きされた、担当者が実作業に時間をとられて報告書を作成せず現場での情報がバラバラ、リリースすべきソースコードがどれか分からないなど、各種トラブルによってスケジュールはますます遅れ、デグレードを引き起こす原因となっている。
そんな同じ過ちや無駄な作業の繰り返しで、開発現場ではストレスが溜まるばかりだ。必死に作業をしながらもデグレードが常態化し、改善する間もなく悪循環は募っていく。ストレスを抱えたまま、プロジェクトメンバーはこれを黙って受け止めるしかないのか。このままでは、ソフトウェア開発に未来はない。
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