データセンター利用企業は増加傾向にあるにもかかわらず、なぜか利益は上がらない。最近、こうしたジレンマに苦しむ声が聞かれる。これは、従来のホスティング型モデルに限界が生じ、新しい収益モデルの構築時期に来ていることを示している。データセンターは今、新たな付加価値の提供を迫られているのだ。
データ集約による統合管理や、運用および監視委託による人的リソースの節減といったニーズから、データセンターを活用する企業が増えている。内部統制などの法規制も追い風となり、データセンターへの注目は日々高まっている。しかし蓋を開けてみると、データセンター事業者の収益は向上していない。むしろ、減少の傾向にある。原因は、多くのデータセンターが従来のホスティング型モデルから抜け出せないことにある。
ホスティング型とは、大容量バックボーンを敷設した施設内にルータやサーバなどの機器を設置し、これらすべてをユーザーに貸し出して対価を得るモデルのことだ。万全な空調/電源設備による信頼性やファイアウォール/ウイルス対策などによる安全性、そして24時間365日の運用監視やレポート作成など、無償/有償オプションの提供が主要サービスとなる。
だが、こうしたサービスもデータセンターの過剰供給に伴い均質化してしまい、差別化要因ではなくなってしまった。残すは「低価格化競争」となり、収益構造が崩壊していった。泥沼の低価格化競争から抜け出すには、新たな付加価値の提供が必要だ。
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