ビジネス遂行においてITが生命線になる今日では、ネットワークに障害が起きた場合、致命的な損失を被ることになるのは明白だ。事業機会の損失を防ぐ意味でも、経営責任を果たす意味でも、バックアップ体制を講じておかなければ深刻な事態を引き起こしかねない。
天災は忘れたころにやってくるというが、ネットワークの障害もまた同じような性質を持っているといえるかもしれない。新しく導入した機器がうまく作動しなかったのか。外部からの攻撃を受けてネットワークが落ちてしまったのか。自然災害でネットワークが停止してしまう可能性もある。原因が何であれ、いかなるネットワークでも障害が起きないと断言できるネットワークはないのだ。
例えば、ある通販会社で営業時間が始まってまもなく、受発注システムが利用できないことに気付いたとしよう。管理者たちは血相を変えて状況を把握しようとしたが、原因の切り分けがなかなかできない。復旧作業をしているうちにも、顧客からは電話やFAXでどんどん注文が入ってくる。しかし、何らかの原因で受発注システムが停止しているために在庫確認や出荷指示など一連の作業ができなくなってしまった。結局、1件1件担当部署に電話で確認せねばならなくなり、業務効率は大きく低下。他部門から応援要員が駆け付け、全社を挙げて対応に当たったが、まったく間に合わない。ついに顧客からは配送に関する問い合わせ電話が次々かかってくるようになり、希望どおり届かないことが分かると注文をキャンセルする顧客も少なくなかった。
さらに、急きょ補充した人員の人件費や顧客へのおわび対応の業務が予想以上に発生し、大きな痛手となった。顧客の信用も失ってしまい、以前のボリュームまで注文が戻ったのは、この事件から5カ月を経過したころだった……。
なぜこの会社ではこのような事態が起こってしまったのか? 実は、受発注システムが機能しなかった原因はネットワークに障害が発生してしまったことにあった。たとえネットワークが停止してしまったとしても、「ある対策」さえ講じておけば、この会社は損失を免れることができた。
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