重複を高速判定――独自の重複除外技術でデータ量削減と高速バックアップを実現新方式のバックアップストレージ「EMC Data Domain」

バックアップシステムを統合し重複除外を高速化するEMC Data Domainと、バックアップ時間とネットワーク回線への負荷を低減するEMC Avamar。丸紅情報システムズは両製品でバックアップ方法の見直しを提案する。

2010年09月01日 00時00分 公開
[ITmedia]

SLAとコストに生じるギャップを3つの可用性で考える

 「バックアップが計画時間内に終わらずサービス時間に食い込んでしまう」「すべてのデータをディザスタリカバリ(DR)サイトに転送しているため、時間だけでなくコストもかさむ」――バックアップシステムを導入したものの、時間やコストに無駄が生じているケースは多い。こうした課題を解決するには、バックアップに対するしっかりとした設計と計画が必要である。

 バックアップストレージのリカバリシステムには3つの要件がある。高可用性、中可用性、低可用性だ。

 リカバリの際、データのロスを最小限に抑えるのが高可用性。CDP(継続的データ保護)方式でデータを常に書き込んだ状態にし、さらにログデータをネットワーク経由で転送してDRサイトのアプリケーションで吸収することで、データロスを最小限に抑えられる。高可用性では、RPO(Recovery Point Objective)もRTO(Recovery Time Objective)も短いため、SLA(サービスレベル契約)レベルは高くなるのが特長だ。次に、データのロスは最小限にしたいがコストを優先させたリカバリシステムが中可用性である。最後に、コストとデータの保持までを最優先にするのが低可用性だ。フルバックアップを週次で取り、日次では差分バックアップにとどめ、DRサイトへはメディアを搬送するといったコスト優先のバックアップ方式である。RPOもRTOも長くなるためSLAレベルの低いシステムといえる。

 当然、SLAレベルが高いほど高価なバックアップシステムが必要となる。ユーザー企業の課題は、バックアップシステムのアセスメントを適切に行い、SLAレベルとコストのバランスを合わせることである。