仮想化やサーバ統合などでITコスト削減を進める企業。だが、CPUコア単位のライセンス体系を採用するデータベースなどはコスト削減が難しい。ここにも、Oracle Databaseのコストで悩む中堅企業の姿があった。
企業システムのデータベースソフトウェアとして、中堅企業から大企業まで幅広いユーザーに支持されている「Oracle Database」。長い実績と豊富な機能を誇るデータベースソフトウェアだが、強いて泣き所を挙げるとしたら、そのライセンスコストを負担に感じている企業が少なくない点だろうか。言うまでもなく、厳しい経済状況が続く昨今では、IT投資に向けられる目は厳しい。特に、不況の波をもろに被った中堅企業では、ITコスト削減は喫緊の課題である。
そうした中、各ITベンダーからはさまざまなITコスト削減ソリューションが提唱されている。例えば、サーバ仮想化技術による物理サーバの集約もその1つだ。しかし、物理サーバの台数をいくら減らしても、ソフトウェアのライセンスコストはなかなか削れないのが実情だ。特にOracle Databaseのように、CPU数やコア数でライセンス費が決まる製品では、そうした傾向が顕著だ。サーバを高性能なものに入れ替える、あるいは集約したとしても、CPUのコア数が変わらなければライセンスコストや保守コストが減ることはない。
しかし逆に言えば、CPUコア数を減らすことができれば、それに合わせてライセンスコストも減らせるということだ。「それができれば、苦労しない」、そんな声が聞こえてきそうだ。確かに普通に考えれば、CPUコア数を減らすことは、そのままシステムのスループット低下に直結する。たとえライセンスコストが下がっても、アプリケーションの性能低下で業務に滞りが出てしまっては、それこそ本末転倒だ。
しかし、実際にCPUコア数を減らすことによるライセンスコスト削減を提唱しているITベンダーがいるのだ。しかもそれが日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)だというのだから、興味深い。以降で、その内容について詳しく見ていこう。
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