早稲田大学のネットワーク課題を救った次世代ネットワーク管理アプライアンスネットワーク帯域制御装置「NetEnforcer」

P2P通信による学内ネットワークの集中が課題になっていた早稲田大学。この課題に対する製品として同校が選んだのが、帯域制御アプライアンス「NetEnforcer AC-3000シリーズ」だった。

2011年03月31日 00時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 早稲田大学ではここ数年、学内ネットワークのトラフィック急増に悩んでいた。特に、研究目的で使われるファイル共有ソフトや、留学生が海外との連絡のために利用するSkype通信ソフトなど、いわゆる「P2Pソフトウェア」が占めるネットワーク利用の割合急増が課題となっていた。従って、同校のネットワーク管理担当者にとっては、P2Pの利用状況を正確に監視し、適切な帯域制御を行うことが何よりも急務だった。

 しかし、既存のネットワーク管理の仕組みでは、この課題に対処するのは困難だった。幾つかの点で技術的なハードルがあったが、その中でも特に決定的だったのが、HTTP上でP2Pを動作させる「P2P over HTTP」の使用状況がまったく見えないことだった。

 そこで同校は、ネットワークの監視と帯域制御のための新たなソリューションの検討を開始。その結果採用を決めたのは、CTCグループが提案したネットワーク帯域制御装置「NetEnforcer AC-3000シリーズ」だった。同製品の開発元は、イスラエルのAllot Communications。日本における製品販売とサポートサービスは、シーティーシー・エスピー(CTCSP)が提供している。2010年1月にリリースされたばかりの同製品は、早稲田大学が国内初のユーザーとなった。

 NetEnforcerシリーズの最大の特徴は、DPI(Deep Packet Inspection)技術を活用したトラフィックの可視化と高詳細なリアルタイムリポーティングだ。これにより、ネットワークを通過するトラフィックをプロトコル、アプリケーション、IPアドレスごとなどに識別し、さらにその結果を30秒ごとにグラフィカルなリポート形式でユーザーに提示できる。その結果を踏まえ、きめ細かいポリシーに基づく帯域制御を行うことも可能だ。

 早稲田大学では、2010年7月から学内ネットワークでNetEnforcer AC-3000シリーズの本格稼働を開始。P2P通信の詳細な利用状況が可視化されたことにより、トラフィック増加に対する的確な対策を立てられるようになった。また、同製品の優れたリポーティング機能は、学内での報告や情報共有に大いに役立っているという。今後は、同製品の導入効果を評価した上で、適用範囲を拡張することも検討するとしている。

alt 一般的な教育機関でのネットワーク構成例

 CTCSPでは、AC-3000シリーズ以外にも45Mbpsから1Gbpsまでの帯域幅に対応する「AC-1400シリーズ」、15Gbpsまでサポートする「AC-10000シリーズ」など、NetEnforcerを幅広くラインアップ。教育機関のみならず、エンタープライズからキャリアレベルまで、幅広い要望に対応する。

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