SAPがビッグデータ時代に送り込んだインメモリデータベース「SAP HANA」。これまでのデータベースのパフォーマンスを1万倍高速化するというSAP HANAをアプライアンス提供するために、日立が導き出した回答とは?
インメモリ型データベース「SAP HANA」は、SAPが業務アプリケーションの理想的な姿を追求する課程で、データベースにあったボトルネックを解消するために開発が始まった。SAPジャパンによると、約30年間基本構造が変わらないRDBMSの技術を手直ししながら使い続けるのではなく、現代の最新技術をベースに理想的なデータベースをあらためて設計したのがSAP HANAだという。
SAP HANAはソフトウェア単体で販売するのではなく、あらかじめパートナーのハードウェアと組み合わせたアプライアンス形式で販売するという方針を採用している。日立製作所(以下、日立)が自社のハードウェアプラットフォーム上にSAP HANAを実装し、製品化したのが「日立インメモリDBアプライアンス for SAP HANA」だ。
日立インメモリDBアプライアンス for SAP HANAは、市場からも高く評価されているブレードサーバ「BladeSymphony」を採用している点が大きな特長だ。ブレードサーバは、「省スペースサーバを高密度に実装するためのプラットフォーム」といった見方をされることも多い。しかしBladeSymphonyでは高密度実装だけでなく、ハイエンドクラスの信頼性、可用性、拡張性が実現されている点が優位性となっている。
通常のブレードサーバでは、サーバの処理能力はあくまでも個々のブレードの処理能力に依存するが、この製品のベースとなっているBladeSymphony BS2000高性能サーバブレードでは、複数のブレードをまとめて大規模なSMPサーバとして拡張することができるようになっている。SAP HANAアプライアンスでは、処理能力に合わせて複数のサイズをあらかじめ設定しているが、一般的なラックマウントサーバやBladeSymphony以外のブレードサーバをプラットフォームにした場合は、規模拡張する際により大型のサーバに入れ替える形でしか対応できないことも多い。しかし、日立インメモリDBアプライアンス for SAP HANAでは、ブレード上にCPU/メモリを増設したり、ブレードそのものを増設したりといった形で処理能力を段階的に向上させることが可能だ。
このため、2CPU(20コア)、256Gバイトメモリ、2.4TバイトHDDという「S+サイズ」のアプライアンスを導入したユーザーでも、処理負荷が高まってきた場合には4CPU(40コア)、512Gバイトメモリ、4.8TバイトHDDの「Mサイズ」へ、さらに8CPU(80コア)、1Tバイトメモリ、4.8TバイトHDDの「Lサイズ」へと規模を拡張していくことができる。初期投資を抑えたスモールスタートから大規模構成まで段階的な拡張を実現しているのは、BladeSymphonyベースの日立インメモリDBアプライアンス for SAP HANAならではの大きな特長となっている。
以降では、充実した日立インメモリDBアプライアンス for SAP HANAのソリューションサービス、そしてSAPジャパンに聞いた、SAP HANAの開発思想と高速化を実現するテクノロジーの概要を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:SAPジャパン株式会社/株式会社 日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部