TechTargetジャパンでは、プライベートクラウドを“所有型”と“ホスティング型”の2パターンに分け、導入意向や懸念する点などを聞いた。本稿では、読者がプライベートクラウドに抱く期待に迫る。
パブリッククラウドに出せないコア業務システムの運用に関して、プライベートクラウドを利用することへの期待が高まっている。プライベートクラウドは、安全かつ個別要求にも応えたITリソースの迅速な提供、運用管理の自動化、オペレーションコストの削減を実現する手段として注目されているのだ。
だが、プライベートクラウド導入への道のりは平たんではないようだ。全社的なサーバ仮想化を通してIT基盤を共通化し、業務プロセスの標準化を経てクラウドの仕組みを作っていくには、技術や社内プロセス、コストなどで多くのハードルを越える必要がある。本調査では、自社が資産を保有する所有型のインターナルプライベートクラウドと、資産を保有しないホスティング型のエクスターナルプライベートクラウドの2つの視点で意識調査を実施した。
目的:TechTargetジャパン会員のプライベートクラウド導入意識について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年4月2日~4月17日
有効回答数:305件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
インターナルプライベートクラウドとエクスターナルプライベートクラウドを以下のように定義し、導入状況や導入意向を訪ねた。
自社のIT資産を自社(グループ企業)が利用するために所有し管理する形態。自社のITリソース(サーバ、ストレージ、ネットワーク)を統合・共有し、一元管理するシステム。ユーザー部門ごとにリソース使用料を請求する従量課金制を取る。
外部のデータセンター事業者が特定企業・部門(ユーザー)のIT資産を所有・管理する形態。ユーザーに対しITリソースを従量課金制で提供するシステム。ユーザーごとに環境や運用を個別に定義する。
両者の導入状況と導入意向では、大きな違いが見られた。インターナルプライベートクラウドは「導入済み」が22.3%、「導入予定」「導入したい」を併せた今後の導入意向が25.9%であるのに対し、エクスターナルプライベートクラウドは「導入済み」が7.5%と少ないが、「導入予定」「導入したい」の合計は37.7%と、今後の導入意向が大きく伸びている。
読者は、エクスターナルプライベートクラウドにどのような期待を寄せているのか。調査結果によると、「ハードウェアの保守・運用をしなくて済む」(74.1%)が最も多く、次いで「会計的にIT資産を所有しなくて済む」(56.1%)が多かった。
一方のインターナルプライベートクラウドへは、運用管理基盤を共通化できたり、最適なリソースのプロビジョニングや自動化ができるといった期待が見られた。
次に、具体的なプライベートクラウドの実現手段について尋ねた。昨今、プライベートクラウドを構築する商用ソフトウェアとして、オープンソースの製品が多数登場している。本稿では、オープンソース(OSS)のクラウド構築基盤を使ったプライベートクラウドについて関心度合いを紹介する。
「導入済み」は3.0%とわずかだが、「具体的な予定はないが導入したい」(6.6%)と「興味はある」(58.7%)を併せると、6割以上が関心はあることが分かった。コストが安く、カスタマイズ性が高いことに魅力を感じているようだ。
インターナル/エクスターナルプライベートクラウドに抱く懸念、OSSクラウド構築基盤ソフトに期待する点など、プライベートクラウドに関する詳細なアンケート結果は以下でダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果と共にアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。
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