大規模、複雑化するIT投資。企業は適切なIT投資の立案と実行、ROI管理などが求められる。IT投資のトレンドやROIを向上させるポイント、開発プロジェクトの管理についてのホワイトペーパーを紹介する。
ERP関連を含めて、そろそろ2013年度のIT予算を策定するという企業も多いのではないだろうか。IT予算や新規のIT投資を考える上では、他社の動向やIT業界のトレンドを押さえることが重要だ。またIT投資案件の管理もIT部門の大切な仕事。IT投資のトレンドや計画策定の考え方が分かるホワイトペーパーを紹介する。
中堅・中小企業のIT投資に4年ぶりの劇的変化──仮想化とクラウド導入加速の流れ
米国の調査会社、Enterprise Strategy Group(ESG)の調査結果「2012 IT Spending Intentions Survey」を紹介したホワイトペーパー。中堅・中小企業(従業員999人以下)のIT投資動向を伝えている。ホワイトペーパーが強調するのは、中堅・中小企業の「IT投資を評価する際に最も重要視する考慮事項」で、「運用コストの削減」が4年ぶりにランキングのトップから陥落したことだ。大企業に比べてIT予算や人員が限られる中堅・中小企業にとって、運用コストの低減は引き続き重要なテーマだが、「中堅・中小企業は、ビジネス環境の改善や企業の成長に関心を持ち始めている」とこのホワイトペーパーは説明する。
では、中堅・中小企業はどのような分野に投資しようとしているのか。ホワイトペーパーでは、「ビジネスプロセスの向上」「ROI/投資回収の早さ」を挙げている。ビジネスプロセスの向上では、業務を効率化し、変化への柔軟性を高めるITソリューションに注目する中堅・中小企業が多くなっているといえるだろう。さらに「ROI/投資回収の早さ」とあるように、その結果を早期に得たいというニーズもある。
ホワイトペーパーでは実際のIT投資案件や事例を紹介。特に中堅・中小企業のクラウドコンピューティングへの投資動向を詳しく解説している。IT投資について他社の動向を知り、自社の計画を策定したいと考えている企業に最適なホワイトペーパーだ。
ソフトウェア投資の投資対効果(ROI)を向上させる5つのヒント
IT投資計画で重要になるのがROIの考え方だ。IT部門は、投資したITシステムでどれだけのメリットを得ることができ、投資金額を何年で回収できるかを明確にすることが求められる。このホワイトペーパーではソフトウェア投資のROIを改善するためのヒントを紹介している。
IT投資の決定では、既存ITシステムのライフサイクルなどの他に、市場調査や顧客の動向、社内の他の部門のニーズ、ITベンダーの動向など複数の要素を考慮する必要がある。これらの情報を組み合わせることで、どの分野にどう投資をするかというIT投資の優先付けをすることができる。
ただ、複数の要素を組み合わせてIT投資の優先付けを行う作業は非常に煩雑で、手作業や表計算ソフトを使った管理では情報の漏れなどが心配される。そのためこのホワイトペーパーでは、ITポートフォリオ管理ソフトを使ったIT投資の統合管理をROI改善のヒントとして紹介している。一時期に複数のIT導入プロジェクトが走るような企業の読者にとって有益なホワイトペーパーといえるだろう。
ITプロジェクトポートフォリオマネジメントで、IT投資に関わる情報を一元的に可視化
IT投資とプロジェクト全般を管理するITプロジェクトポートフォリオマネジメント(PPM)ソフトを利用している新日鉄ソリューションズの事例を紹介するホワイトペーパー。PPMソフトとはIT投資や開発プロジェクトごとに「経営戦略との関連性、その企業のITアーキテクチャとの整合性、各プロジェクトの投資対効果、QCD(品質、コスト、納期)、利用満足といった評価基準をモニタリングするソフト」とホワイトペーパーは説明する。IT部門にとっては「IT投資に関わる情報を一元的に可視化して、ステークホルダーに対する説明能力を向上させる」という意味があるという。
PPMソフトが必要とされる背景には、IT投資案件や開発プロジェクトが大規模、複雑化していることがある。そのためプロジェクトに関わるQCDの維持が難しくなっているのだ。どれほど先進的なIT投資でもプロジェクトのQCDを守ることができなければ、そのIT投資は失敗と評される(参考記事:ERP成功の合言葉「QCD」が分かる3つのホワイトペーパー)。大規模で、複雑なIT投資案件を抱える企業にとっては、必読のホワイトペーパーだ。
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、IT投資策定の参考となる技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...