ソフトウェア資産管理のツボが分かる3つのホワイトペーパーホワイトペーパーレビュー

仮想化の浸透でソフトウェアのライセンス体系が複雑化している。だが正確に管理しなければコンプライアンスなどの面でリスクを抱えることになる。ソフトウェア資産管理の要点が分かるホワイトペーパーを紹介する。

2013年04月25日 08時00分 公開
[内野宏信,TechTargetジャパン]

 仮想化クラウドによるシステムの複雑化を受けて、IT資産管理の重要性が一層高まっている。特に危惧されているのは、把握していなかったIT資産がセキュリティホールになったり、それと知らずにソフトウェアライセンス違反を犯してしまったりするリスクが高まっていることだ。実際、後者については違反によって莫大な賠償金を請求された事例もある。これを受けて、多くの企業がソフトウェア資産管理(以下、SAM)の重要性を再認識しているが、その基礎知識やノウハウは十分に浸透しているとはいえないようだ。本稿ではSAMの基本と要点を分かりやすく説いた3つのホワイトペーパーを紹介する。

ライセンス違反を犯すと具体的にどうなるのか?

ALT 提供:クオリティソフト(2ページ)

 SAMといっても、今所有しているソフトウェアの総数と社内でインストールされている本数を突合するだけでは十分とはいえない。ソフトウェアごとにライセンス情報やインストール情報、使用状況を正しく把握し、インストールされているハードウェアの情報、そのユーザーの情報とひも付けて管理しなければ、漏れのない確実な管理は難しい。

 本ホワイトペーパーはそうした前提に基づき、ソフトウェア資産管理の基礎となる「使用許諾契約書」の読み方を解説。昨今はソフトウェアの使用条件として「開発元の要求に応じて使用実態の報告義務が発生すること」「開発元による利用実態の調査権を許諾すること」を求める例が多い。こうしたことが使用許諾契約書にどのような表現で書かれているのか、使用許諾契約書のサンプルを使って見落としてはいけないポイントを分かりやすく解説している。

 注目すべきは「ソフトウェア資産管理を行う上で重視したい3つの法律」も収録している点だ。「企業の業務上でソフトウェアの違法コピーが発生した場合、従業員だけでなく、法人に対しても3億円の罰金が科せられる」著作権法第124条など、ライセンス違反を犯した際の法的なインパクトを具体的に紹介している。ソフトウェアライセンス管理のアウトラインを短時間で把握する上で格好の教材になるのではないだろうか。

ソフトウェア資産管理の“鉄則”とは?

ALT 提供:LANDesk(4ページ)

 本ホワイトペーパーはソフトウェア監査の内容と、ソフトウェアの購入から廃棄に至るライフサイクル全体の管理体系、「ソフトウェア資産管理(以下、SAM)プログラム」について詳しく解説している。

 SAMプログラムでは、製品のバージョンや利用条件の特定、検証可能な記録による所有権の明示、各ソフトウェアの適切な使用者の判定といった作業を定期的に繰り返し実行する。ソフトウェアは使用期間が比較的短いため、その所有実態や使用状況を継続的に把握することが正確な管理のポイントとなるためだ。そうした継続的な管理が、ベンダーによるソフトウェア監査時の情報提供作業の軽減や、遊休ライセンスの発見によるコスト削減にもつながることなどを紹介している。

 また、SAMプログラムを組織に定着させるためには一定の時間がかかる。そこでSAMを無理なく段階的に導入するための3つのステップも収録するなど、極めて実践的な内容となっている。

SAMのポイントを知ると、ツールの利便性も分かる

ALT 提供:ハンモック(4ページ)

 本ホワイトペーパーは、幅広い規模・業種の企業に豊富な導入実績を持つハンモックの「AsseteView PLATINUM」のSAM機能を紹介している。以上2つのホワイトペーパーはSAMの方法論を説いたものだが、こちらは実際にツールを使ってSAMを行う際にはどのような取り組みが求められるのか、具体的にイメージしやすい内容となっている。

 例えば、ソフトウェア資産と保有ライセンスの管理では、ハードウェア台帳、利用ソフトウェア台帳、ライセンス台帳、ライセンス関連部材台帳という4つの台帳機能を使ってソフトウェアとライセンスの突合作業を行う。これによりソフトウェアがインストールされたハードウェア、ソフトウェア、ライセンス、使用者をひも付けて管理する。

 また、全社で使う標準ソフトウェア、特定の部門で使う個別ソフトウェア、使用を禁止しているソフトウェアに分けて管理する機能や、ソフトウェア製品のベンダー名や製品名などを自動判別するソフトウェア辞書機能なども、SAMの実践において重要なポイントとなる。SAMの作業内容は多岐にわたるが、製品機能を通じて実作業内容を知ることで、SAMのポイントを効率よく学べるのではないだろうか。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、SAMの参考となる技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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