Googleマップでジョブ管理を実現した英水道会社──Googleのサポート体制は?Google Maps Coordinate導入事例

水事業会社の英Sutton & East Surrey Waterは、Googleマップを活用した作業割り当てシステムを構築。地方自治体の要件の順守、顧客対応の向上、コスト削減の面で成果を上げている。

2013年06月28日 08時00分 公開
[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 水事業会社の英Sutton & East Surrey Water(以下、SESW社)は、Googleマップを基盤とする作業割り当てシステムを導入し、保守工事作業員を管理している。

 SESW社は、公道や歩道での作業が含まれる水道本管の修繕に適用される地方自治体の建築企画要件に伴う公的手続きを、このシステムで処理している。これで、印刷された作業指示書を毎日集めなければならなかった紙ベースの手続きが不要になった。

Computer Weekly日本語版 2013年6月26日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年6月26日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 SESW社のネットワーク管理者であるジェレミー・ヒース氏は、次のように当時の状況を話す。「サットン郡議会は、許可制制度に移行していた。つまり、前日の作業状況を議会に午前10時までに報告しなければ、決められた額の罰金を支払うことになる」

 SESW社は、比較的小規模の水道会社で、全長3500キロの水道本管を管理している。本社と貯水槽は英国サリー州のレッドヒルにある。水道本管の修繕要員として、2人組の作業クルー8組が待機している。

モバイル管理の必要性

 「保守工事クルーから報告が入るまで、時間との戦いだ。携帯電話やタブレットのメールを使うこともできたが、クルーにとって報告は優先順位の高い作業ではないので、いずれも最適なソリューションにはならない」とヒース氏は話す。

 カスタマーサービスの向上も、プロジェクトの狙いの1つだった。

 「顧客の家の外に作業員がいる理由を電話で質問されても、何の作業をしているか分からない状態だった」

 ヒース氏は、モバイルでの作業管理システムがSESW社に必要なことに気付いたが、市販されている製品はWebベースのシステムばかりで、会社のバックエンドのエンタープライズソフトウェアであるMicrosoft Dynamics NAVとは容易に統合できない。重複して情報を入力しなければならないシステムは欲しくなかった。

 そのとき、GoogleによるGoogle Maps Coordinateの作業割当機能のデモを見て、ヒース氏は試用を開始した。

 「Googleから、Googleマップと作業の詳細情報を使ってクルーの現在地を示すWebサイトが提供されている」

 また、ヒース氏は、基本のAndroid端末も選定した。「手始めにシンプルなAndroidフォンを使ってみたが、試用期間中に携帯電話の画面では小さすぎることが分かった」

 画面が大きければ、作業計画書のPDFを表示することもできるだろう。通常、クルーには現場に向かう前にカラー印刷した作業計画書を渡し、壊れた水道本管の修理時に参照できるようにしている。

ポケットサイズの端末

 ある週末、ヒース氏は自宅でタブレットをどこかに置き忘れてしまった。結局、コンバットパンツのポケットに入っていた。

 「クルーのほとんどはコンバットパンツをはいている。7インチのタブレットなら、余裕でポケットに入る」

 ヒース氏が選んだのは、120ポンドのZTE Light Tab 2だ。端末は確かにポケットに収まったが、実際には、クルーの大型トラック内で充電器に有線でつながれていることがほとんどだった。ヒース氏は、端末の価格はかなり安く、耐久性もあるので余分な費用を掛けたくないと、米国製の盗難防止機能の付いたマウントダッシュボード「RamMount」のみを追加で購入した。

 「半年間で、画面の破損が1件起きただけだ」

 ヒース氏は、「新しいシステムを導入できるだけの予算はなかったが、作業指示書の印刷が不要になったことで節約できたコストは、Google Maps Coordinateのコストを容易にカバーできた。これには、経営陣も喜んでいる」と話す。

 「Google Maps Coordinateは、技術的には構成しやすく、数週間で導入できた」

 ZTE Light Tab 2のOSはAndroid Gingerbreadだ。ヒース氏によると、これは携帯電話のOSに近いため、Jelly Beanなど、新しいバージョンよりもクルーには向いている。「トレーニングは1時間半で済んだ」(ヒース氏)

続きはComputer Weekly日本語版 2013年6月26日号にて

この後、ヒース氏の話はGoogleのサポート体制に及びます。彼はGoogleをどのように評価しているのでしょうか。続きは、

で読むことができます。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

事例 Jamf Japan 合同会社

BYOD時代のIT統制強化術、事例で学ぶ安全なAppleデバイス管理

ソフトバンクロボティクスでは、働き方の変化や海外拠点の増加に対応する中で、ゼロトラストセキュリティを前提としたグローバルレベルのIT統制が必要となった。Appleデバイスを業務利用する同社は、どのようなアプローチを採用したのか。

製品資料 Jamf Japan 合同会社

MDM活用における12の困りごと:iPhoneやiPadを適切に管理するには何が必要?

業務用モバイルデバイスの管理にMDMツールを使う企業は多いものの、iPhoneやiPadの管理に関しては、限られたインベントリ情報しか取得できない、UIが分かりにくい、などの課題も多い。そうした「12の困りごと」と、解決策を紹介する。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

リモート接続におけるITサポートチームの負担軽減、AIによる業務効率化の実践術

リモート接続におけるITサポートチームは、安定稼働が大きな使命の1つだが、近年はシステムの複雑化に伴い、ITオペレーションの負担が増大している。本資料では、AIを活用してITオペレーションの効率を大きく改善する方法を紹介する。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

短期間かつ低リスクで、リモートアクセスツールの導入を完了させる方法

昨今、多くの企業が業務にリモートアクセスを取り入れているが、リモート接続ツールの導入には、専門知識が求められる。また初期設定や運用設計などを自社で行う場合、最適化されていないケースも多い。どのように解消すればよいのか。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

iPhoneやAndroidスマホを「ノートPC」に変える方法

スマートフォンの進化により、「ノートPCとの2台持ち」の必要性は薄れつつある。スマートフォンをノートPCとして使うための便利な方法を解説する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...