近年、グローバル化の波やアジアメーカーの台頭といった市場環境の変化を前に、苦境に立たされ続けている日の丸製造業。その復権のためには、EQMS(Enterprise Quality Management System)の取り組みが必須だ。
日本の製造業の低迷が取り沙汰されるようになって久しい。かつて「メイド・イン・ジャパン」は高品質・高機能の代名詞であり、日本メーカー製の自動車や家電製品は世界中で飛ぶように売れた。しかし今日、こうしたメイド・イン・ジャパンブランドのアドバンテージはすっかり失われたかのように見える。今や韓国、台湾、中国といったアジア諸国のメーカーは、製品の品質そのもの、つまり「製造品質」の面において日本メーカーと肩を並べつつあるのだ。
また、消費者の嗜好や価値観が多様化し、世界市場のボリュームゾーンが先進国市場から新興国市場へとシフトするに伴い、かつて日本製品の最大の武器であった高品質・高機能は、むしろ過剰品質・過剰機能と捉えられる向きも出てきている。むしろ今求められているのは、絶対的な製品品質ではなく、市場ニーズを的確に捉え、それにマッチした製品をいち早く市場に投入できる「設計品質」の方なのだ。さらにいえば、製品そのものの差別化を図るのが難しくなる一方で、製品の利用を通じたユーザー体験を魅力的なものにするための「市場品質」や「サービス品質」の重要性が増しつつある。
こうしたパラダイムシフトに対応し、日本の製造業が復活の糸口をつかむためには、まずはこれまでの製造品質一辺倒の考え方から脱却し、設計品質や市場品質、サービス品質などを含む「製品ライフサイクル全般にわたる品質管理」を重視する戦略へと転換する必要がある。ちなみに、こうした取り組みで既に先行している欧米の製造業では、「Enterprise Quality Management System(EQMS)」と呼ばれる考え方が提唱され始めている。これは簡単にいうと、設計・開発から調達・出荷、製造、販売、さらにアフターフォローに至るまで、製品ライフサイクル全般にわたって一貫した品質管理を戦略的に行うという概念だ。
そしてこのEQMSを実現するためには、製品ライフサイクルのフェーズごとに各種データを収集・分析できるITの仕組みが不可欠だ。例えば、工場の生産設備から集めた製造データを分析することで製造品質を高めたり、あるいは世界各地に散在する製造拠点の生産データを集約・可視化することで、グローバル需要変動に即した生産計画を立てたりといった具合だ。しかしこれを具現化するためには、ITには極めて大量のデータを高速に処理する能力が求められる。そして従来の製造システムでは、残念ながらこうした要求に応えることができなかったのだ。
しかし、ビッグデータ時代が到来した今、ようやく本格的なEQMSを実現できるITソリューションが出てきた。例えば日本オラクルでは、「Oracle Exadata」「Oracle Big Data Appliance」「Oracle Exalitics」といったエンジニアド・システム製品群と各種ソフトウェア製品を組み合わせることで、従来比で10倍以上もの高速な分析処理を実現する製造業ソリューションを提供している。
オラクルでは、同社の最新の製造業ソリューションがいかにEQMSを実現するか、詳細に解説したホワイトペーパーを無償で公開している。製造業のITソリューションに関わる方であれば、ぜひ一度目を通してみることをお勧めしたい。
日本の製造業が苦境から脱するための取り組みとして、現在EQMSという取り組みが注目を集めている。その実現のためには極めて高度なITの仕組みが必須なのだが、それをいち早く実現しているのがオラクルの製造業ソリューションだ。
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