ビッグデータやクラウド、仮想化など、新しい技術に合わせてストレージの用途・役割が進化するにつれ、ストレージがシステムのボトルネックになる事態が増えている。性能向上や信頼性強化など、課題は山積みだ。
ビッグデータやクラウドを契機に、企業システムで扱われるデータ量が飛躍的に増えている。量だけでなくデータの種類も多様化し、現在のストレージはビッグデータ分析やデータベースなど性能を求めるものから、ファイルサーバやアーカイブなど容量を求めるものまで用途が広がった。また、データの重要度に合わせて保存先のストレージを変更する使い方も浸透しつつある。
このように、新しいコンピューティング環境に合わせてストレージの用途・役割が進化しているが、課題も浮き彫りになっている。特に深刻なのが、パフォーマンスギャップだ。「サーバはマルチプロセッサ、マルチコア化によってCPU性能が向上しているのに、ストレージ性能が追い付かない」「システム統合によってストレージへの負荷が増大して性能劣化が顕在化した」「オンラインサービスの品質を向上させるために、応答時間短縮の要求が拡大している」といったストレージ性能の課題は、早期の解決が望まれている。ストレージ性能の課題をそのまま放置しておくと、システムチューニングに余計な作業工数を費やし、アプリケーションやデータベースを全面的に見直す必要に迫られることになる。
こうした課題を根本的に解決するためにベンダー各社が取り組んでいるのが、新しいストレージ技術の導入による高性能化だ。特にストレージデバイスは、HDDだけの時代から、HDD互換のSSD、さらにはフラッシュメモリアレイへと置き換えが始まっている。性能向上に加え、データの保全性や転送の高信頼化、小型化による省電力化も進んでいる。またHDDにおいても用途に応じて、性能よりも大容量かつ低コストを重視したニアラインHDDを選ぶこともできる。次のページでは、新時代に求められるストレージの要件とその技術を解説する。
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