中堅・中小企業にも急速に浸透しつつあるクラウド。安定したクラウド利用を進めるには、クラウド自体の信頼性だけではなく、その足回りとなるネットワークにも注目すべきだ。
企業によるクラウドサービス利用の動きが広がる中、特にここ数年は中堅・中小企業によるクラウド導入の動きが目立っている。ITmedia エンタープライズと調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)が2010年に実施した読者調査では、パブリッククラウドを「利用している」との回答は、売上高10億円未満の中堅・中小企業では43.9%と半数近くを占めた。評価中、検討中との回答も合わせて22.8%に上り、クラウドの利用は現在および今後も拡大傾向にあると考えられる。
システムに対する初期投資を抑え、運用管理の手間からも開放されるクラウドサービスは、いわゆる“ひとり情シス”状態の中堅・中小企業にとって極めて大きなメリットがある。だが「クラウドなら何でもいい」というわけにはいかない。自社の大事なデータや業務システムを外部へ預けるのだから、システムの安定性やパフォーマンス、セキュリティにはできる限り万全を期したい。そのためには、クラウドサービス自体の信頼性を十分に見極めることが重要になるが、得てして見落としがちなのが、クラウド運用の足回りとなる「ネットワークの品質」だ。
ネットワークの品質を意識せずにクラウドの導入を進めるとどうなるか? 例えば、業務遂行の上で重要なシステムをクラウドサービスへ移行することを考えてみよう。品質が低いネットワークは、停止が頻発したり障害時の迅速な復旧ができなかったりする。ネットワークが止まればクラウドサービスへアクセスができず、業務が止まる。頻繁に業務が停止すれば、本来売れたはずの商品が売れず、顧客対応が滞る。早晩、企業としての信頼も地に落ちてしまうだろう。
クラウドを業務に本気で活用するのであれば、ネットワークの品質確保は待ったなしだ。どうすればクラウドサービスの安定利用に必要十分なネットワーク品質を確保できるのだろうか? この課題を一気に解決する具体策を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:株式会社USEN
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部