「本当の安心を」――英宝くじサイトの選択は「ツイン」データセンター宝くじサイトのデータセンター事例

英宝くじ「Health Lottery」は、Equinixの柔軟で拡張性の高いITアーキテクチャを利用して、増大するデータを安全に管理している。

2013年09月30日 08時00分 公開
[Archana Venkatraman,Computer Weekly]
Computer Weekly

 売上の20%が医療関連福祉に使われる英国の宝くじ(ロトゲーム)「The Health Lottery」は、増大するデータを保護し、コンプライアンスの維持とITのレジリエンス(回復力)の強化に有効なインフラが必要になった。そこでHealth Lotteryは、最大の課題を克服して堅牢なITを実現するために、同一構成で2カ所のデータセンターを使うツインデータセンター戦略を採用している。

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 Health Lotteryくじが始まったのは18カ月前。現在は51の地方自治宝くじを順番に実施している。各くじは英国内の特定の地域に対応し、各地域の医療格差対策の資金源となる。Health Lotteryでは、事業開始から2400万ポンドを超える資金が集まっている。

 ロトゲーム1枚(1プレイ)は1ポンドで、1プレイに付き20ペンスがMenCap(英国の知的障害者の団体)、School Food Trust(学校給食の改善活動を行う団体)、英アルツハイマー病協会、Dementia UK(認知症を持つ人と介護者を支援する団体)、Youth Sports Trust.(スポーツを通して若者の育成を支援する団体)などの福祉団体に直接分配される。

増大するデータ

 Health Lotteryは、英大手チェーンストアのTescoやCo-opなど、4万の小売パートナーを擁し、賞金金額20ポンド〜10万ポンドのくじを提供している。多数の常連客がいることもあり、データ量は増加の一途をたどっている。

 事業の要となるロトゲームは、小売パートナー経由とオンラインで販売される。このため、当初からかなり厳しいICT(情報通信)開発およびインフラ要件が課された。Health Lotteryのデビッド・ウォール最高運営責任者(COO)は、「ICTをアウトソースし、コアスタッフを最小限に抑えることにした」と語る。

 アプリケーション、顧客データ、オンラインインフラをサポートし、保護するためにソフトウェア、インフラの管理、インフラの物理的なホストという3領域に対応するサプライヤーが必要だった。

 「インフラ側の最大の課題はセキュリティだった。サーバへのアクセスを特定のスタッフに制限した。さらに、厳しいコンプライアンス基準に従いその制限を実現していることを立証しなければならなかった」とウォールは言う。

 また、将来クラウドへの移行と、新しいビジネスチャンスを生むモバイル端末戦略の策定を支援できるサービスプロバイダーが望ましかった。

 最終的に、キャリアニュートラルな(通信事業者に依存しない)データセンターとインターネットサービスを提供するEquinixが選ばれた。Health Lotteryでは、アプリをEquinixのデータセンターでホストし、本社と抽選会用のスタジオへのリモートリンクを用意することでインフラ要件を達成している。

データセキュリティ要件の達成

 ウォール氏によると、Health LotteryがEquinixを選んだ主な理由の1つはデータセキュリティだという。トランザクションおよびデータセキュリティ関連のコンプライアンスは、オンラインゲームサービスプロバイダーにとって極めて重要であり、「英国1988年データ保護法」と「プライバシーおよび電子通信規則(PECR)」をデータセンターレベルで順守する必要がある。

 EquinixのデータセンターはISO 9001およびISO 27001(セキュリティシステム規格)の認定を受けているため、冗長な査定を実施する手間が省かれるとウォール氏は語る。

 またウォール氏は、「この事業で最も気掛かりなのは、データのセキュリティとロトゲームの継続性だ」と話す。

 Equinixのデータセンターは、複層的に物理的なセキュリティ対策とデータセキュリティ対策を講じているため、現在の規制だけでなく、将来予想されるゲーム関連規制にも対応しやすいというメリットがある。

障害復旧のベストプラクティス

 もう一方の「気掛かり」であるロトゲームの継続性については、2カ所のデータセンターを使ってシステムのレジリエンスを高め、ダウンタイムを最小限に抑えている。このようなコストが掛かる方法を選択したのはなぜか?

続きはComputer Weekly日本語版 2013年9月25日号にて

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