Microsoftのプラットフォームとツールなら、MDMとクラウドに必要とされる安定性を確保できる――。Microsoftの主張はユーザー企業に受け入れられるか?
クラウドやコンシューマー技術、私物端末の業務利用(BYOD)によって企業向けIT分野における独占状態が脅かされる中で、Microsoftはモバイル端末管理(MDM)やクラウドコンピューティングの分野で自社製品の攻勢を強めている。
Microsoftは企業に対し、同社のプラットフォームとツールこそ、ユーザーが私物のスマートフォンやタブレットで会社のデータにアクセスするクラウドコンピューティングとBYODの時代にふさわしいと納得さようとしている。
Windows ServerおよびSystem Center事業部のブラッド・アンダーソン副社長は、「某社」という間接的な呼び名を使って、仮想化で競合するVMwareに矛先を向けた。Hyper-Vに切り替えた米国のDomino's Pizzaのような企業では、高密度化、パフォーマンスの高速化、安定性の向上が実現できたという事例を紹介。「MicrosoftのワークロードはMicrosoftのハイパーバイザーで動かすのが一番」と力説した。
Hyper-Vは、サードパーティーによる強力なサポートを得て弾みが付いているのは確かだ。だが、依然としてVMwareが強い存在感を放っているのは明らかだ。「まだ勝負はついていない」とVirtual Technology User Groupのクリス・ハーニー代表は言う。Hyper-Vに対する関心は高いものの、同氏の見る限り、これまでのところほとんど移行には至っていない。関心の高まりは「上層部から来ている」といい、「2つのハイパーバイザーを調達するのは、自分のデータセンターでは常に選択肢があった方がいいという理由による」と解説する。
Hyper-Vの最大級のユーザーはMicrosoft自身だ。同社のパブリッククラウドプラットフォーム「Windows Azure」(以下、Azure)はハイパーバイザーにHyper-Vを採用している。MicrosoftはAzureの採用状況について何年も沈黙を保った後、その成長について語り始め、ExchangeやSharePointなどのホスティングサービスを提供する「Office 365」の成長についても語るようになった。
Azureのストレージ容量は6〜9カ月ごとに倍増しているとアンダーソン氏は言う。Azure Active Directoryはプレビュー版から正式版となったばかりだが、現在管理しているドメインは42万に上る(Office 365でも使用)。Office 365は世界の企業の20%以上が使っているという統計もある。
System CenterではService Pack 1(SP1)で導入されたMDM機能が注目された。SP1はクラウドベースの管理サービス「Windows Intune」との統合を通じてWindows RT、Windows Phone 8、iOS、Androidを搭載した端末のサポートを追加している。
「現代のデバイスはクラウドから管理する必要がある」とアンダーソン氏。
セルフサービスポータル経由のアプリケーション導入機能、盗まれたりなくしたりした端末のデータを遠隔操作で消去する機能も加わった。ただ、AndroidのサポートはiOSやWindows Phone 8に比べると先進性に欠け、BlackBerryは全くサポートされていない。
端末とクラウドの管理にフォーカスしたWindows Server 2012 R2の詳細を解説。
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