ICT化が進む医療機関では、医用画像などを保管するファイルサーバの容量確保や管理負荷の軽減、コスト削減が課題となっている。その課題解決に向けて注目を集めているのが、クラウドサービスによるデータ管理だ。
ITはもはや医療分野でも欠かせない存在であり、多様な業務を支えるシステムが多くの医療機関で整備されている。地域医療連携の実現に向け、中核病院と地域の診療所などを結ぶネットワークの構築も着実に進む。
こうした中、多くの医療機関が直面している課題が、“医療データの大容量化”である。CTやMRIなどの医用画像機器(モダリティ)の進化に伴い、画像の精度が向上し、1枚当たりのデータ量は増加の一途をたどっている。こうした医療データの管理のために、多くの医療機関では保存用のストレージの追加投資が避けられない状況にある。ただし、その台数が増えるほどに調達コスト、さらに運用管理の手間も増えてしまう。
また、東日本大震災を契機に、医療機関でも万一の事故や災害時における事業継続性の確保が強く求められるようになった。その実現のためには、確実なデータ保護を可能とするバックアップ環境などの確立が不可欠だ。
これらの課題に対応する“解”として注目を集めているのが、クラウドによるデータ管理/保護だ。医療分野のみならず、大量の動画配信サービスを行うコンテンツ事業者などの課題も解決可能だ。ただし、クラウドサービスはオンプレミスと比べ極めて低い初期費用で利用に乗り出せる一方で、その利用に当たり留意すべき点も存在する。次項では、クラウド活用に向けた注意点や選択のポイントを解説しよう。
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