データ統合を果たしたスコットランド消防本部が待望するIoT時代センサーデータは消防活動にも有効

組織統合により、情報の一元化を迫られたスコットランド消防本部。ETLツールとBIで一元化とアウトプット体制を整備した先にあるのは、モノのインターネットの活用だった。

2014年04月10日 08時00分 公開
[Brian McKenna,Computer Weekly]
Computer Weekly

 スコットランド消防本部(SFRS)は、8つの組織を1つの国営組織の傘下にまとめた。新たな統合組織は、QlikViewのBI(ビジネスインテリジェンス)を使用して外部への報告と業務インテリジェンスという2つのデータの流れの融合に取り組んだ。

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 SFRSの情報通信技術部長スチュアート・チャルマーズ氏は、2013年4月1日の新組織発足時までに、以前の8つの消防組織から収集した情報を統一された統計報告に整えなければならなかったと振り返る。同氏によれば、この8つの組織は使用していたデータベースの種類が異なり、自動化されていたシステムもあれば自動化されていないシステムもあったという。

 「かなり小規模なシステムもあったため、実際のビジネスケースとなる自動化システムはなかった。消防本部としては、消防士が作戦を立てる際のニーズを満たし、組織と共に成長できる分析ツールが必要だった」と同氏は述べている。

QlikViewの選択

 同氏によると、SFRSは幾つかツールを調査する一方、NHS(National Health Service:英国の国民健康保険サービス)や警察といった、似た立場の組織にも目を向けた。SFRS設立と同じ2012年、警察消防改革法(スコットランド)の施行により、警察もスコットランド警察として編成されている。

 SFRSがQlikViewを採用した理由は、QlikTechが2012年に買収した米Expressor SoftwareのETLツールだったという。

 「このツールを使えば、8つの組織のデータフィードをそのまま取得できる。SQLを使って手動で操作する必要はなく、適切な確度でそのデータを適用できる。また、定義を変更する柔軟性も備わっている。組織はエディンバラ、インバネス、アバディーンなどスコットランド全域に広がっており、そのどこでも『ごみ箱火災』といえば同じことを指さなければならない」

 事故や火災の現場からデータが収集されるが、火災の発生場所は決まっておらず、空間的なデータもある。また、SFRSは各家庭を訪問して情報収集を行い、四半期実績や年間実績の報告も行っている。消防本部の統計データはスコットランド政府のWebサイトで報告する。

 プロジェクトに携わる人材や資金は少なかったという。対外支出の第1段階は8万ポンド、2年間の総予算は16万ポンドだった。

データの需要喚起

 しかし、外部向けの報告書作成だけが目的ではない。

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