SharePointは機能が多過ぎる
「クラウドはすばらしいが万能ではない」――国際NGOの悩み
非政府組織(NGO)のCIO、デイビッド・グッドマン氏は、オープンかつ柔軟性があり、オフラインでも使用可能なクラウドを求めている。
グッドマン氏は米International Rescue Committee(国際救援委員会:IRC)の初代CIOで、7年にわたってIT部門を指揮してきた。同氏の基本方針はIT部門の専門性を高め、戦略レベルでも戦術レベルでも価値を提供することだ。
Computer Weekly日本語版 4月2日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 4月2日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
IRCが年間予算数百万ドルの組織から5億ドルの組織へと成長するにつれて、IT部門も変化する必要があった。「直面している問題は大企業の英Unileverと全く同じだが、IRCにはリソースがない」と同氏は語る。
IT部門の規模は大企業のIT部門に匹敵し、その職務はインフラから業務アプリケーションまで全てに及ぶ。難民支援などの活動にテクノロジーを使用するというIRC本来の戦略にとってもIT部門は不可欠だ。例えば、シリアのように着の身着のまま、携帯電話だけを握りしめて逃げだした都市難民には、SMS(ショートメッセージサービス)などのテクノロジーソリューションが役に立つと同氏は話す。
「都市難民が置かれている状況は一刻一秒を争う。IRCは円滑な支援のためにテクノロジーを使っている」
同氏はクラウドコンピューティングの考え方を認めてはいるが、メリットばかりでないことも認識している。「クラウドはすばらしい。私もインフラを自分で運用したいとは思わない。だが、デメリットもある。クラウドではコストが高くなる状況がたくさんある」という。
IRCはクラウドベースのストレージ「Box」を職員に提供している。業務によっては購入する製品や使用する製品を選択できるが、Boxの代わりにDropboxを選択することはできない。
SharePointは機能が多過ぎる
グッドマン氏は、大手サプライヤーの画一的なアプリケーションはIRCのニーズに合わないと考えている。「先日、米BoxのCEO、アーロン・レビー氏主催の夕食会に参加した際、米Microsoftの新CEO、サトヤ・ナデラ氏についてどう思うか尋ねられたが、あまり関心はない。IRCはこれまでMicrosoft製品をあまり使用していないからだ。だが、SharePointは利用してみた。この製品は12種類の作業を行えるようだが、IRCにはこんなに必要ない」
IRCはSharePointを中心にイントラネットを構築した。「さまざまなコラボレーション機能を導入したが、課題はSharePointがIRCの活動に即した設計になっていないことだ」とグッドマン氏は話す。同氏によると、SharePointは全世界で活動するNGO向きではないという。「SharePointは、長期にわたって利用できるソリューションとは感じなかった。手軽に使えるものを求めていたが、SharePointは非常に複雑だった」
グッドマン氏はアウトソーシングを検討したが、コストが高くなるという。「SharePointの専門知識はコアコンピテンシーではない」ためだそうだ。
「30~40種類のイントラネット製品をテストしたが、オフラインでも機能する製品は1つもなかった」と同氏は話す。接続を確保できない現場が多数あるため、オフライン機能は重要な要件の1つだ。「IRCの職員はインターネットに接続できない地域で活動している」
IRCの要件を満たす製品を見つけられなかったことから、グッドマン氏はイントラネットを構成する要素の解剖を始めた。同氏はイントラネットを、検索範囲が1つでコンテンツ管理機能を備えるものと定義している。
「緊急対応チームには、職員がオフラインでも協力して作業できる文書管理システムを備えた緊急対応手続き用ポータルが必要だった」
IRCのイントラネット導入の概念実証には、Python/Django(Webアプリフレームワーク)ベースのコンテンツ管理システムをフロントエンドに使用した。このフロントエンドには、Boxにアクセスするためカスタムコードを若干実装している。
「IRCのニーズはかなり特殊で、Box(の担当者)は困っていた。IRCが求めているのはiPadアプリではないことを理解してもらえなかったが、APIを提供してサポートしてくれた」とグッドマン氏は語る。
2013年のフィリピン台風の災害で、このイントラネットは真価を発揮した。「Boxは全職員が利用しており、チームの役に立った。この話の教訓は、IRCのニーズが特殊なため、ベンダーはそれに応えていなかったということだ。IRCのサプライチェーンは非常に特殊だ。IRCはソフトウェアの能力を自ら活用する必要がある」
クラウドの限界
続きはComputer Weekly日本語版 4月2日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 3月19日号:新CEOは迷走するMicrosoftを救えるか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
6
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
9
2035年までに1億4500万台、急拡大する「フィジカルAI」市場の勝者は誰か
-
10
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー