IT機器選定では、カタログスペック情報は重要な判断材料だ。だが、ユーザーが実際に使用する環境とは異なる設定であることが多い。こうした状況の中、本当に知りたいIT機器の性能値が検証可能なサービスが登場した。
IT機器を導入・選定する上で、スループットやレイテンシ(遅延)、消費電力などの性能が重要な判断材料となるのは言うまでもない。その際、ベンダーの公表する製品カタログのスペックやテスト結果などを参考にするのが一般的だろう。しかし、機器の性能は稼働環境や設定に大きく左右される。参考にした値が自社の望む環境の結果ではないことが多く、いざ導入しても想定した性能が実現できるとは限らない。
一方、実利用環境に近い設定のテスト結果として「ベンチマークテスト」を利用する方法もある。しかし、いざベンチマークテストをしようとしても検証機器は高額で専門的な知識が求められる。また、システムインテグレーター(SIer)に依頼する場合でも膨大なコストを伴うことが多い。
結局、どのような環境下で検証したのか具体的に分からないカタログスペックに頼るしかないのだろうか。2014年4月、そんな企業担当者の悩みを解消する会員制サービスが始まった。キーワードは“検証のクラウド化”。会員登録した企業や組織に対し、検証環境や技術者を持たなくてもベンチマークテストを無償で実施し、その検証結果を会員全員で共有できるという。以降でサービス内容の詳細を見ていこう。
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