AWSへシステムを移行する際に課題となるのがバックアップとクラスタリングだ。これらにオンプレミスと同等の機能を求めることは難しいと言われてきた。だが、幾つかのツールと設定によって解決できることが分かった。
「Amazon Web Services」(AWS)は、企業システムのクラウド化を推進するに当たって、有効な選択肢の1つである。安価で容易に利用できることから、導入するユーザーが急速に増えている。
しかしながら、AWSへシステムを移行する際に、課題となる点がないわけではない。ユーザー環境によっては、その問題がクリティカルであるため、導入を躊躇(ちゅうちょ)していたケースもあるだろう。
その1つがバックアップである。もちろんAWSには、ミラーリングやスナップショットの機能が用意されており、基本的なインフラとしての保護は実現できる。しかし、あくまでもインフラごとまたはボリュームごと破損した場合に備えた実装であり、データの論理保護や細かい単位での迅速な復旧運用には向いていない。
もう1つはクラスタへの対応だ。オンプレミスでは、複数のノードをクラスタリングして冗長化を図っているケースがほとんどだ。ところがAWSは、一般的なクラスタで利用する機能・構成に対応しておらず、実際に構築できるかどうかが判断しにくい。
結論から言えば、これら2つの問題は幾つかのツールと設定を工夫することで解決できる。本稿では、AWSを用いてバックアップとクラスタ構成を組み、実際にパフォーマンスを検証した。その具体的な方法およびパフォーマンス検証結果について詳しく解説しよう。
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