製造業に最適なストレージって何だろう?コストパフォーマンスだけじゃない

経済のソフト化/サービス化が叫ばれる今日、モノづくりは単なる製造加工を意味しない。開発から生産、販売に至るまで、製造業においても扱われるデータは膨大。そんな中、ストレージに求められることとは何か。

2014年11月07日 10時00分 公開
[ITmedia]

 GDP(国内総生産)や労働人口に占めるシェアこそ縮小基調にあるものの、日本の製造業の生産性の高さは健在だ。今日の製造業の現場においては、ITの貢献で膨大な情報を駆使することで、より迅速に、より価値の高いモノづくりを追求するようになっている。

 さまざまなIT製品の中でも、製造業の需要が伸びているといわれるものの1つがストレージだ。調査会社のIDC Japanが発表した2013年の国内外付型ディスクストレージシステム市場の産業分野別実績によれば、製造業は2桁のプラス成長で市場全体の成長をけん引しているという。ビッグデータの時代といわれて久しいが、製造業においても扱うデータは劇的に増大している。膨大なデータを活用するためにも、まずはそれを蓄積し共有するためのストレージが必要というわけだ。

 実際、製造業にとってストレージは重要だ。製品開発の過程では、2D/3DのCADを使った設計が定着した。図面や技術文書などのデータ、デザイン見本、構造解析シミュレーションなど、さまざまなデータを共有し、全国あるいは全世界の拠点からデータにアクセスするための環境がなければ、良質な製品を低コストで迅速に市場に投入することはかなわない。

 製品が市場に投入されれば、リアルタイムに移り変わる売り上げ情報をはじめ、各種の膨大なデータが生産管理やマーケティングに活用される。「モノのインターネット」(IoT)というトレンドも無視できない。製品自身が出す情報をフィードバックし、それを通じた新たな生産活動、関連サービスの提供に用いる例も出てきている。例えば自動車産業では、走行距離やエンジン状態などのモニタリング、高度交通システム(ITS)による渋滞緩和への取り組みなどが既に実用化している。

 また、業種や製品ジャンルにもよるが、製造業では一度立ち上がったプロジェクトが長期にわたって継続することも珍しくない。PL法(製造物責任法)で定められた時効期間の10年という事情もある。その間、製造記録や品質管理記録などのデータを保管する義務もある。長期間データを保存し、常にアクセスが可能な状態にしておかなくてはならない。

 扱うデータ量はますます膨大になり、しかもどこまで増えるのか予測が付きにくい。さらに、同じシステムを長く使えることが望ましいとなれば、製造業に最適なストレージの要件とはどのようなものになるのだろうか。

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