今、システムのクラウド移行とそれに伴うIT部門の縮小が始まっている。必要なのはクラウド環境に適用できる技術者だけ。「それができない人たちに職場に残ってもらうわけにはいかない」
CIOは、クラウド環境になじめない部下に引導を渡す役割を引き受けなければならないこともある。現在のCIOは、オンプレミスのデータセンター設備やデータセンターの管理を担当するシステム管理者をなるべく減らそうとしているからだ。
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クラウドに移行するアプリケーションが増えている昨今、データセンターの管理者はその職業自体の存続が危ぶまれている。またデータセンターの管理者だけでなく、IT部門の従来の業務の進め方に執着し、ITの役割について新しい考え方を受け入れないスタッフを抱えているIT部門責任者もいることだろう。
IT業務はかつて、サービス品質保証(SLA)の内容をどれだけ実践しているかで評価するものと考えられていたが、この価値観は現状にそぐわないものとなりつつある。
「IT業務を評価する際に、電話による技術サポートの件数、システム可用性、システム停止時間など、SLAに対する達成度を基準とするのは安易すぎる。そろそろ、業務の価値や成果を問うような、現実的で有益な基準に変えることに関係者全員が合意するべきだ」と主張するのは、コンサルタントのバークレイ・レイ氏だ。
社内ユーザーにもハイテクに詳しい人が増えたため、IT部門に対する期待のレベルも上がっている。しかし例えば、ガバナンスやコンプライアンスの分野でイノベーションを進めようとしたときに、IT部門が反対して進まなくなる例が見られると米IntelのCIO、キム・スティーブンソン氏は話す。「IT部門は頭から(現状を変えるのは)『無理だ』と決めつけるのではなく、最も安全な手段で目標を達成する方法を実務部門に提示することができるはずだ」とスティーブンソン氏は語る。
さらに同氏は続けてこう主張する。「IT機器の調達、新しいアプリ開発の外部委託、クラウドベースのサービスの購入などは、実務部門のユーザーが自力で直接実行できるようになってきている。だとすると、IT部門は新たな役割を探す他はない」
このような風潮は、ITチーム内に不穏な空気が流れる原因となっている。変化に前向きな者とそうでない者に分かれてしまい、チームとしての足並みがそろわないからだ。クラウド上のユーザー認証プラットフォーム製品を提供している企業、米Octaが主催したイベントでスピーカーを務めた英国ガトウィック空港のCIO、マイケル・イビットソン氏は、ガトウィック空港のITチームはクラウドへの移行作業を進めているところだと報告した。ところがその結果、イビットソン氏のITチームは規模を縮小することになったという。同氏はその詳細を次のように語った。
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