「Oracle Database」(DBMS)にインメモリ機能を組み合わせ、データベースを劇的に高速化する「In-Memory」オプションの性能を第三者が検証した。どれほどの高速化が実現できているのか。高速化によってビジネスはどう変わるのか。
近年、ビッグデータの普及もあり、分析結果をビジネスに反映するまでのタイムラグはますます短くなっている。1週間前の売り上げデータではなく、昨日の売り上げデータ、あるいは直近の売り上げデータから傾向を把握してビジネスに反映する必要性が求められているのだ。
分析のための処理というと、データ量が多く変換などに時間がかかるため、夜間バッチで実行することが多い。また、データを分析に有利な列型に変換すると更新に時間がかかることから、分析や集計用にデータを別サーバに移動することも珍しくない。データのある業務用サーバに加え、データウェアハウス(DWH)やデータマートといった情報系サーバと複数のサーバを運用することになる。
こうした課題を解決するのがインメモリデータベースだ。今やほとんどの企業で使われているデータベース管理ソフトウェア(DBMS)の「Oracle Database」にも、データベースを高速化する機能として「Oracle Database In-Memory」(以下、In-Memoryオプション)がある。日本では2014年7月に提供開始された新しい機能だ。このIn-Memoryオプションを使用すれば、業務用データベースとDWH専用機、データマート用サーバを1つにまとめ、コストを削減することが期待できる。また、日本オラクルは「既存のアプリケーションに変更を加えることなく」「データベースの処理性能を数百倍〜数千倍高速化する」と説明する。しかし、インメモリ故の高速化と想像はつくものの、あまりの極端な数値に簡単には信じ難い。
どのような仕組みで高速化を実現しているのか。実力はどの程度か。今回、さまざまなベンダーの製品を取り扱うアシストがIn-Memoryオプションの性能を検証した。また、データベースアプライアンスの「Oracle Database Appliance」を使えばOracle DatabaseのStandard Editionと同等の投資でEnterprise Editionが利用できるという。当オプションを利用するには良い足掛かりとなりそうだ。
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