2014年6月より東経124/128度CSデジタル放送でスタートした4K試験放送「Channel 4K」。世界に先駆けて開始したその試験放送を支えるシステムには、果たしてどんな要件が求められていたのか、その舞台裏に迫る。
フルHDから「4K放送」へと、テレビにはさらなる高画質/高品質なコンテンツが求められるようになりつつある。「4K対応」をうたったテレビが家電量販店に並ぶようになり、「4K」さらには「8K」といった言葉も、耳にする機会が多くなってきた。
2012年3月に地上デジタル放送への移行が完了し、日本における家庭用テレビの高画質化は一応の完成をみた形だが、その一方で、次世代のテレビ放送への取り組みは着々と進んでいる。4K放送や8K放送などのUHDTV(超高精細テレビ)の実現と普及に向けては、国も本腰を入れて取り組む姿勢を見せている。2013年からは総務省が掲げる「放送高度化ロードマップ」の実現のため、一般社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が設立。次世代放送に必要な技術仕様の検討や実用化に向けた検証作業を「オールジャパン体制」で進め、2014年6月には、検討からわずか1年足らずで「Channel 4K」の放送が開始された。
現在描かれているロードマップでは、東京オリンピックが開催される2020年には、4K、8K双方の視聴が可能なテレビの普及を図るとされている。オリンピックをはじめとする世界的なイベントをより美しい映像で楽しめるのは、視聴者としてはただ楽しみなばかりだが、一方でその舞台裏を支えるシステムには、一筋縄ではいかない課題が突きつけられている。
次のページからは、「Channel 4K」の試験放送を支え、自らも4K放送の普及を推進するスカパーJSATの取り組みを見ていこう。
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