奈良先端大が画期的ストレージ基盤を構築、コスト最大9分の1実現の決定打とはSSD、HDD、テープのハイブリッドシステムとは

高度な研究に欠かせないITインフラを提供するため、奈良先端科学技術大学院大学が階層型ストレージを導入した。課題となっていた消費電力や空調などのコストが最大9分の1に減少した。担当者がその効果を語る。

2015年05月28日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 国立大学法人・奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)は、既存の学部制度をなくした研究体制を取る独立大学院として、1991年10月に設立された。現在は、情報科学研究科、バイオサイエンス研究科、物質創成科学研究科という3つの研究科の他、総合情報基盤センターや各種研究センターなどの複数の機関・施設が付属する。

 同学では、教員や学生の研究をサポートするため、安定した情報サービスの提供と新しい研究基盤の実現を目指して全学共有分散コンピュータネットワーク「曼陀羅(Mandara)システム」を運用している。本システムは、イーサネットやインターネット、WWWなどの標準技術を用いたオープンシステムを基本に、ユーザーがUNIXやLinux、Windows、Mac OSなどの好みのシステムを自由に利用できることが基本方針として構築されている。

 NAISTの総合研究基盤となっている曼陀羅システムは近年、1つの大きな課題を抱えていた。ストレージ容量への要求が年々厳しくなっていることである。2014年にHDD容量は10Pバイトまで迫り、消費電力や空調などのランニングコストが無視できないほどになっていた。

 そこで解決策として取られたのが、HDDとSSD、そしてテープメディアをハイブリッドに活用した次世代の仮想型ストレージシステムである。総合情報基盤センター 情報基盤技術サービスグループ グループ長/助手の辻井高浩氏に詳しい話を聞いた。


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