コストが高く魅力のないプロプライエタリデータベースの代替として、多くの企業がよりアジャイルなオープンソース製品に目を向けている。自社のニーズに最も合ったものを選ぶためには試行錯誤が必要だ。
10年前、企業向けのデータベースといえばほぼ「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」、そして「IBM DB2」くらいしか選択肢がなかった。「MySQL」や「PostgreSQL」などのオープンソースデータベースも存在していたが、ほとんどの営利組織の目には入らなかった。
だがプロプライエタリ製品のライセンスが複雑化してコストがかさむようになると、企業のニーズが変化してきた。こうして、増大する需要に応える存在としてオープンソースソフトウェア(OSS)が浮上してきた。
リレーショナルデータベース(RDBMS)がすぐに姿を消すことはなさそうだが、非RDBMSも、特に「MongoDB」「Cassandra」「Couchbase Server」「Redis」といったオープンソースNoSQLデータベースを筆頭に目覚ましい復活を遂げている。
プロプライエタリサプライヤーの大手3社は貪欲になり過ぎたと指摘するのは、アドレス認証と電子商取引ツールを手掛けるPCA Predict(旧Postcode Anywhere)のジェイミー・ターナー最高技術責任者(CTO)。「われわれも昔からMicrosoft SQL Serverを使っていて、10年前はライセンス料も十分理にかなっていた。プロセッサ当たり3000ポンドだったと思う。それだけの価値はあった」と同氏は振り返る。
ところがサプライヤーは安定したライセンス料を維持しようとして、プロセッサ当たりではなくコア当たり、あるいは自分たちの収益を守れる方法で課金するようになった。
ターナー氏は言う。「貪欲なライセンス祭りのような状態になった。Microsoft SQL Serverをそれなりのマシンに搭載すると、優に1万ドルの出費になる。エディションが違えば制約も異なる。例えば対応するメモリの量が制限されたりした。それでは経済的ではなかったため、別の製品を探す必要に迫られた。ライセンス料ゼロでほとんど同じことをやってくれるMySQLのようなものがあるのに、1台当たりに6万ドルも費やしたりはしない。MySQLはそれほど見栄えは良くないが、ツールは格段に進化していた」
451 Researchの調査ディレクターでデータプラットフォームと分析を専門とするアナリストのマット・アスレット氏は、同じ結論に行きつく企業が増えていると話す。「代替製品を探す企業が増えている一因は、間違いなくプロプライエタリRDBMSのコストの高さにある。ただし答えを出すのは簡単ではない」
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新しいレコメンデーション層のためにCassandraを選んだブックメーカーのWilliam Hillの場合、動機はどちらかというと拡張性とアジャイル開発にあった。
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