6大サプライヤーの2016年オールフラッシュアレイ製品戦略各社の動向を総まとめ

6大ストレージサプライヤー、HDS、EMC、HPE、NetApp、IBM、Dellのオールフラッシュアレイ製品の特徴と、各社の注力ポイントなどを概観する。

2016年03月18日 08時00分 公開
[Chris EvansComputer Weekly]
Computer Weekly

 オールフラッシュストレージ業界6大サプライヤーの製品をまとめてみると、2015年は企業統合、地道な機能向上の積み重ね、価格下落の年だったことが分かる。

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 6大ストレージサプライヤーは、短期間に製品の成熟度を急激に高め、スケーラブルなプラットフォームへと進化させた。さらにここ数年、低価格化に注力する新興企業も増え、夢の「1GB当たり1ドル」実現に向かっている。

 オールフラッシュアレイの市場は競争が激しく、この1年間に売り上げを伸ばしたメーカーは(少なくとも調査会社IDCの調べによると)、Hewlett Packard Enterprise (HPE)だけだった。競争の争点は明らかに「最安値」であり、(その実現手段として)3DやTLC NANDなどのテクノロジーが導入され始めている。

 現在の有力サプライヤー(Hitachi Data Systems、EMC、HPE、NetApp、IBM、Dell)は全て、この1年は自社製品のプラットフォームを変更することなく、機能、キャパシティー、パフォーマンスのアップグレードに取り組んでいる。NetApp以外のメーカーは、他社の合併吸収または社内開発によってフラッシュ製品の戦略をリードしてきた。

 ここで問題になるのは、次の争点はどこかということだ。現時点で表れている兆候からは、自動化、装置の仕組み、コンテナ、 仮想化、データベースなどの特定のワークロードに特化させたオールフラッシュプラットフォームの開発などが考えられる。

Hitachi Data Systems

 Hitachi Data Systems(HDS)は2015年11月に「VSP Fシリーズ」を発表した。現在販売しているものでは、「VSP Gシリーズ」がオールフラッシュ構成をサポートしている。ただしこの機種は、調査会社のパフォーマンス比較の対象とはならない。調査会社は、“オールフラッシュアレイは従来のHDDをサポートしない”と定義しているためだ。

 HDSは市場のリーダーを自任しており、同社製品が採用しているフラッシュドライブのテクノロジーは独自方式だ。これに関する正確な報告はほとんどされていない。Fシリーズは「F400」「F600」「F800」の3機種で展開しているが、最大448TB(データの重複排除後)まで、システム機能とのバランスの補正を図ることができる。

 また、VSP Fシリーズの発表と同じ2015年11月に、HDSは第2世代のフラッシュモジュール(FMD:Flash Module Device)をリリースした。これは、HDSのハードウェアにNANDフラッシュを組み込み、最大6.4TBのキャパシティーを持つカスタムフラッシュモジュールを製造するという、注文生産ベースのテクノロジーだ。FMDはインラインデータ圧縮機能も備えているが、この機能がパフォーマンスに影響することはないとHDSは主張する。

 そして2016年1月、HDSはオールフラッシュ製品に新たなラインである「HFS Aシリーズ」を加えると発表した。これはデータ重複排除機能を搭載したアレイで、同社が高負荷(のニーズ)、VDIなどのオールフラッシュに適したワークロードを狙った製品だ。

 Aシリーズは60個の標準的なSSDを1台の3.5インチ2Uシャシーに詰め込んでいるが、このSSDには市販の1.6TBのMulti-Level Cell(MLC)タイプを使っている。一方、6TB超のカスタムビルドのFMDでは、他のオールフラッシュ製品を組み込むオプションもある。

 Aシリーズには3種類のモデルがある。「A220」は物理容量16TBのドライブ10台(データ重複排除後の実効容量は64TB)、「A250」は物理容量48TBのドライブ30台(データ重複排除後の実効容量は192TB)、「A270」は物理容量96TBのドライブ60台(データ重複排除後の実効容量は384TB)となっている。

EMC

 2015年5月に開催されたEMC主催の恒例のイベント「EMC World」で、同社はオールフラッシュアレイ製品の「XtremIO 4.0」リリースと、そのOSであるXIOS(XtremIO Operating System)の最新版「XIOS 4.0」の公開を同時に発表した。XtremIO 4.0は、「X-Brick」という独自構成のノードのブロックを2個ずつ、最大8ブロックまで拡張できる。この製品は1.6GBのSSDを使用しており、1ブロックの容量は40TBだ。

 XtremIO 1ブロックの最大容量は320TB(実効容量は269TB)、データ重複排除後の実効容量は1612TBとなる。またXtremIOの可用性機能が改善され、システムを停止しなくても既存のクラスタにノードを追加できるようになった。プラットフォームもアップグレードされ、(データ保護機能の)RecoverPointをネイティブで統合。物理的に離れた複数拠点にそれぞれ配置したストレージ間のデータ複製が可能になった。

続きはComputer Weekly日本語版 3月16日号にて

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