業務システムのモバイル対応、全面刷新してはならないその理由とは2カ月で既存システムをモバイル対応化

システムのモバイル対応やUI改善といった「モダン化」を進めようにも、作り変えるという作業は容易ではなく、コストも掛かってしまう。これらの問題を解決する方法はあるのだろうか。

2016年03月31日 10時00分 公開
[ITmedia]

 現在、オンラインで提供されるさまざまなサービスが、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスから快適に利用できることを前提とした「モバイルファースト」にシフトしつつある。特に一般消費者を対象にした場合、クライアントPC以上に身近になったスマートデバイスでの使い勝手を考慮していないサービスは、ユーザーにとって「魅力のない」ものと評価されてしまう可能性がある。

 実は、企業内の情報システムにおいても、これと同様のことが起こりつつある。企業で働く個人は、それぞれにプライベートでスマートデバイスを通じたユーザー体験に慣れている。一方で、業務で利用するITシステムは、それらが一般に普及する以前に導入され、ユーザーインタフェース(UI)も、導入当時標準だったスタイルがそのまま残っている。さらに、利用できるデバイスや環境も制限されている。

 技術の変化や「働き方の多様化」といった社会的要請の後押しもあり、企業内のシステムをスマートデバイスに対応させ、UIの刷新を含めた、システムの「モダン化」を進める動きが盛んになっている。ユーザー体験のみならず、システムを構成する技術要素、アーキテクチャの再検討を含めて「モダナイゼーション」と呼ばれることもある。

 とはいえ、既存のシステムやアプリケーションを作り替える作業は、多くの開発コストと運用コストを掛けて作り上げてきたシステムを捨てて刷新することになり、簡単ではない。また、コスト面でも現実的ではなく、社内での承認も簡単に下りないだろう。一方で、パッケージの利用も候補に挙がるが、カスタマイズ面での制約や構成の柔軟性が失われること、またベンダーロックインの懸念も大きい。

 では、現在稼働しているシステムを生かしつつ、将来的な発展性までを視野に入れた「モダナイゼーション」を実現するためにはどうしたらいいのだろうか。次のページで、現在の企業が将来を見据えて知っておくべき情報システムの「戦略」について考える。


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