9割以上が“パスワード認証”を利用、他の認証手段の導入は進むのか?企業の認証セキュリティに関する調査レポート

TechTargetジャパンは会員読者を対象に、「企業の認証セキュリティに関する読者調査」を実施した。本レポートでは、その概要をまとめた。

2016年07月01日 10時00分 公開
[ITmedia]

 TechTargetジャパンは2016年4月、TechTargetジャパン会員を対象に「企業の認証セキュリティに関する読者調査」を実施した。調査結果から、企業の認証セキュリティ状況や認証製品/サービスの導入、検討状況、利用状況が明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定で閲覧可能)。

調査概要

目的:TechTargetジャパン会員でIT製品・サービスの導入に関与する方を対象に、エンドポイント端末における「認証セキュリティ製品・サービスの導入状況」について調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象:TechTargetジャパン会員

調査期間:2016年4月4日(月)〜28日(木)

総回答数:261件

※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


なかなか浸透しない他の認証システム

 勤務先で導入しているクライアント端末の認証システムを聞いたところ、全体の93.1%が「パスワード認証」を導入していると回答した。以下、「MACアドレス認証」(17.2%)、「ワンタイムパスワード方式」(12.6%)、「ICカード認証(USBトークン)」(12.6%)と続く(図1)。ITの黎明(れいめい)期から使われているパスワード認証が、デファクトスタンダードとして広く使われている一方、他の認証システムはあまり普及していない現状が浮き彫りになった。

図 図1 導入しているクライアント端末の認証システム《クリックで拡大、以下同じ》

注目度が高い「生体認証」、導入は進むのか

 パスワード認証が圧倒的に主流な認証手段だが、他の認証手段に関心を持つ企業も少なくない。機能比較やコスト比較をしたい認証システム/技術を質問したところ、「生体認証(静脈パターン認証、虹彩認証、声紋認証、顔認証、網膜認証)」(32.8%)と「生体認証(指紋認証)」(32.0%)が1位、2位にきており、生体認証の注目度の高さが分かる(図2)。パスワードを使わない認証も可能な新たな認証仕様「FIDO」や、日本マイクロソフトの「Windows 10」に搭載されている生体認証機能「Windows Hello」など、パスワード認証以外の認証手段は今後、より注目されていくと考えられる。

図 図2 今後導入したい認証システム/技術

 企業は新しい認証システムの導入をどう考えているのだろうか。勤務先に認証システムに対する投資計画があるかどうかを問うと、「1年以内に投資する予定がある」(2.3%)、「中長期的に投資を計画中」(26.8%)と合わせて29.1%が投資計画があると回答した(図3)。9割以上がパスワード認証を利用している中、新しい認証システムに注目するだけでなく、実際に導入する動きがあることが分かる。

図 図3 認証システムの投資計画について

 その他、回答者の詳細な属性、認証システムの運用方法、認証システムに対する懸念点、スマートデバイスの認証で実施していることなど、本稿で紹介できなかった内容も含めた調査レポートの完全版を提供している。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。


提供:合同会社シマンテック・ウェブサイトセキュリティ(旧 日本ベリサイン株式会社)
アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部