TechTargetジャパンは2016年5月に、「企業のIoT活用に関するアンケート調査」を実施した。本レポートでは、その概要をまとめた。
TechTargetジャパンは2016年5月に、TechTargetジャパン会員を対象に「企業のIoT活用に関するアンケート調査」を実施した。調査結果からは、IoTの導入状況や導入後の課題などが明らかとなった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定で閲覧可能)。
目的: TechTargetジャパン会員の企業のIoT活用に関する投資の現状について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象: TechTargetジャパン会員
調査期間: 2016年5月9日〜6月3日
総回答数: 297件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
IoT(モノのインターネット)という概念はもはや単なるバズワードではない。それが今回の調査で明らかになった。ネットワークに接続したあらゆるモノからデータを集め、分析することで新たな知見を得ようという営みは、企業がビジネスを革新するための現実的な手段として認識されるようになっているのだ。
今回の調査でまず目を引いたのが、IoT活用の取り組み状況だ。「既に活用している」と答えた回答者は19.2%。2014年に実施した調査では10.2%であったので、9ポイント増えていることになる。また、今後IoT活用に取り組む予定のある企業は「1年以内に」と時期を明確にしている企業が9.8%、「時期は未定だが取り込む予定」としている企業は31.3%だった。既に取り組んでいる企業と合わせると全体の6割以上が活用に意欲を見せていることになる。2014年調査では55.6%が「予定はない」と回答していたが、導入意向は完全に逆転した形だ。
IoTは業種業態を越えさまざまな応用例が模索されているが、具体的にはどのような用途に関心が高まっているのか。最も多かった回答は「物理セキュリティ(ドアの開閉や施錠の有無の検知など)」(33.1%)で「工場の製造ラインにおける異常検知など」(31.3%)、「労務管理、在席確認など」(24.7%)がそれに続いた。「小売における店舗内の動線の解析やユーザー情報の分析、近接者へのプッシュ通知」といった、マーケティング領域で注目される活用法は10.8%にとどまり、全体的には「攻め」より「守り」、監視装置としての役割が期待されていることがうかがえる。
IoTを導入する上では、既存のITインフラを全面的に見直す必要がある。センサーから得たビッグデータをリアルタイムに活用していくためには、分析基盤はもちろんのこと、ストレージやネットワークなども相応な規模で用意する必要がある。実際、「IoT実現のために導入済み、または導入予定のIT製品/サービス」を聞いたところ、トップは「無線通信ネットワーク」(50.6%)だった。また、「セキュリティツール」を挙げた企業も38.0%に上り、個人情報の取り扱いや情報漏えいなどのリスクなどがIoT導入の課題となっていることがうかがえる。こうした課題に全て対処するためには、自前でシステムを構築する他、クラウドを利用するという選択肢もある。実際、「IaaS/PaaSなどのクラウド基盤」を挙げた企業は34.3%と、高い関心があることが分かった。
膨大なデータを収集しても、それをリアルタイムに活用できなければ迅速な意思決定にはつながらない。また、さまざまな角度から自由自在に分析できることは、新たなサービスを創出するために欠かせない条件となる。「IoTの導入におけるデータ分析の課題」について聞くと「見たい情報を自由に可視化したい」(44.6%)、「動的な情報をリアルタイムで可視化したい」(44.2%)という声が多く、データのビジュアライゼーションが最優先の課題となりつつあることが分かった。
その他、回答者の詳細な属性、導入製品、導入したい仮想化関連技術など、本稿で紹介できなかった内容も含めた調査レポートの完全版を提供している。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。
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