ソフトウェアCDPで可能になる新時代の「仮想マシン単位」バックアップとは「エージェント方式」「VADP方式」の弱点を克服せよ

仮想環境の導入は今や当たり前となった。そこで問題なのが仮想マシンのバックアップだ。複数の方法があるがどれもメリットとデメリットがある。双方を一緒に解決できないものだろうか?

2016年08月29日 10時00分 公開
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 事業継続性を確立するためには、デジタルデータの保護が不可欠だ。このことに異を唱えるユーザー企業はいないだろう。最近では仮想環境で運用しているシステムも多いが、当然ながら仮想環境でもデータ保護は欠かせない。

 そのための手法として一般的なのがデータのバックアップだ。仮想環境のバックアップとしては、各VM(仮想マシン)にエージェントをインストールしてバックアップを実行する「エージェント方式」と、ハイパーバイザーが提供するAPIを使用してバックアップを実行する方式がある。VMwareでは、後者を「VMware vSphere Storage APIs − Data Protection」(VADP)と呼んでおり、これに対応したバックアップ製品は既に複数存在する。

 しかしこれらの方式には、それぞれ弱点がある。エージェント方式は、各VMにソフトウェアを導入する必要があるため運用管理に手間が掛かり、バックアップによるVMの負荷も高くなる。一方のVADP方式は、エージェントが不要なので運用管理の負担は比較的軽い。しかし、Windowsのボリュームシャドウコピー(VSS)と連係すると高負荷状態になり、バックアップ処理が失敗するケースが少なくない。またVADPによるバックアップ終了後にスナップショットのマージ処理を行うときに、データ更新量が多いと処理時間が長くなり、場合によってはスナップショットの削除を失敗する可能性もある。

 仮想技術が成熟し、仮想基盤への集約やミッション・クリティカルシステムでの適用が進む中、目標復旧時間(RTO)と目標復旧地点(RPO)をより短くするためのデータ保護を検討する必要がある。

 さて、これらの問題を解決するには、どうすればいいのだろうか。

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