そのバックアップ本当に動く? 「やっているつもり」DRから脱却眠らせるのはもったいない、有効活用するDR

DRとして仮想化システムやデータのバックアップを取ったものの、有事のときに本当に正常に再稼働できるのか。「やっているつもり」DRから脱却するにはどうすればいいのだろうか。

2016年08月25日 10時00分 公開
[ITmedia]

 ビジネスにおいてITが占める役割が大きくなるにつれ、災害やシステム障害といった不測の事態に備えるための災害対策(DR)の取り組みが重要性を増しつつある。特に近年、九州における震災や関東で続発する地震などの影響から、あらためて企業ITにおけるDRの重要性がクローズアップされている。

 2011年に発生した東日本大震災を契機に、ミッションクリティカルなシステムを抱える企業の多くは、どうしても止められない一部の重要システムを対象に、多額の予算を投じてゼロダウンタイムと全自動復旧を兼ね備えるDRシステムの構築に乗り出している。一方、万が一の際の復旧優先度が2番手、3番手のシステムに関しては、そう多くの予算をDRに投じるわけにはいかない。

 そこで安価なバックアップ製品や、仮想化ソフトウェアの仮想マシン複製機能を使って、「取りあえず仮想マシンのバックアップやコピーデータをとっておけば何とかなるか」というレベルで済ませているケースが多く見られる。しかしこうしたDRの仕組みは、果たしてどれだけ実効性があるだろうか。

 たとえ復旧優先度が2番手、3番手であっても、システム復旧に何週間もかかってしまうようでは、多くの場合、ビジネスに多大なダメージを与えてしまうだろう。それ以前に、本当にシステムを復旧できるのか。仮想マシンのコピーデータをとってあることと、それを起動してアプリケーションを正常に稼働できるのかは、全く別の話だ。

 結局、一部の高額でハイエンドなDRシステム以外は、実際ほとんど実効性を持たないのが実情ではないだろうか。こうした「やっているつもり」のDRから脱し、真に実効性のあるDRを実現するためにはどうすればいいのだろうか。

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