フラッシュストレージはI/O性能の向上以外にも、多様な目的で利用できる。既存システム、特定分野、クラウドといった3つの用途に合わせた最適な活用方法を紹介する。
企業向けストレージは、データセンターや大規模環境向けを中心に、全ての容量をフラッシュメモリでまかなう「オールフラッシュストレージ」が主流になりつつある。オールフラッシュストレージを含むフラッシュストレージは2013年ごろまで、高性能ではあるものの非常に高価で、信頼性にも課題が残り、一部の先進企業や特定領域での利用に限られていた。
2014年以降はフラッシュストレージの技術的な信頼性、耐久性が向上し、容量単価は急激に低下している。また、データ圧縮や重複排除といった最新のソフトウェア技術を活用することによって、従来のSAS(Serial Attached SCSI)接続型HDDと同等の実効容量単価を実現できるようになった。そのため従来は採用できなかった領域においても、フラッシュストレージを採用するケースが増えている。
さらに2017年以降、特に日本においてはフラッシュストレージの活用が急速に進むとみられている。2020年に向けてビルやマンションなどの建設ラッシュが予想されており、それに伴って建設費用が高騰すればデータセンターの建設費用も値上がりし、場所の確保も困難になるだろう。データセンターでは、より効率性を重視した高性能で高密度なフラッシュストレージが脚光を浴びることになる。
こうした流れの中で、フラッシュストレージの技術や製品に注目すると、もはやI/O性能が良いのは当たり前。総合的な性能や容量効率性、データのモビリティ(移動のしやすさ)、柔軟性、拡張性といった、企業利用におけるストレージインフラとしての機能が問われるようになっている。
これからのインフラ構築において、オールフラッシュストレージの注目ポイントはどこにあるのか。どのような観点でストレージ製品を選定すればよいのか。最新のストレージ技術、製品を基に解説しよう。
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