業務でモバイルデバイスやクラウドといったデジタル化が進む一方、紙の文化は今も深く根付いている。紙に依存したプロセスは、スピードが求められるビジネスにおいて足かせになっていないだろうか。
10年ほど前までは、私たちの生活やビジネスは紙が中心だった。もちろんコンピュータは大いに活用されていたが、スケジュール管理をしている手帳が紙だったり、顧客の名刺管理も紙のままだったりした。
その後、テクノロジーの進化に伴いモバイルデバイスやクラウド、ビッグデータ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)といった、いわゆる「第三のプラットフォーム」が発達し、私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化している。例えば、10年前はフィーチャーフォンが携帯電話の中心だったが、現在はスマートフォンが中心になっている。スマートフォンで撮影した写真や動画は、撮ったその場でSNSにシェアされたり、情報登録した店舗の付近を歩くとビーコンが反応し、お店のクーポンが送られたりすることもある。
ビジネス環境も多様に変化している。業務でのモバイルデバイスの活用が促進され、時間や場所を問わずモバイルデバイスで国内外と連絡のやりとりが可能だ。オンラインストレージを使ってデータを活用・管理したり、企業の広報活動にSNSを活用したりするようになった。このようにビジネス環境がデジタルにシフトしたように思えるが、紙に依存する文化そのものがなくなったかというと、そうではない。
確かに紙の利用は減ったが、紙の書類や押印、紙での資料配布といった文化は相変わらず健在であり、それに伴う稟議(りんぎ)待ちや郵送に掛かるプロセスは変わっていない。例えばモバイルデバイスやクラウドサービスを導入していても、いまだに最終的な契約や稟議承認などでは紙を使ったプロセスが残る企業は少なくない。その結果、期待していたほど業務改善につながっていないという企業も多いだろう。
そこで本稿では、今まで紙で行っていた情報の伝え方、コミュニケーション方法を考え直し、ビジネスのドキュメントワークフローにおける「デジタルトランスフォーメーション」を実現する手法について解説する。
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