クラウド導入の“駆け込み寺”、cloudpackが考えるAWS移行 成功の法則既存SIerとの連携を強みに

AWSの導入支援サービスを手掛けるcloudpackは、顧客のあらゆる要望に応える気概と技術力を備えたSIerだ。レガシーからの移行であっても、ユーザー企業に負担を掛けない、長期的なプランを提案してくれるはずだ。

2016年12月15日 10時00分 公開
[ITmedia]

レガシーシステムの課題を解決する

 旧来のIT投資は3年先から5年先を見据えて、中長期的に計画するのが一般的だった。しかしモバイルデバイスやクラウドサービスなどの登場と発展によって、市場は目まぐるしく動き、人々の生活やワークスタイルも大きく変化した。今や長期間かけて遠い先を見通すのではなく、周辺環境の変化へ迅速かつ柔軟に対応できるIT施策が必要となっている。

図1 加速するIT投資のサイクル(出典:cloudpack)

 そこで注目されているのが、既に挙げたクラウドサービスだ。2006年に「アマゾンウェブ サービス」(AWS)が登場して以来、多くのユーザー企業がクラウドサービスを活用し、そのメリットを享受してきた。

cloudpack 後藤和貴氏

 AWSの導入から運用までを手掛けるcloudpack 執行役員 エバンジェリストの後藤和貴氏は、クラウドサービスの具体的な利点として、「俊敏性」「保守サイクルからの脱却」「運用コストの低減」の3点を挙げる。

 「必要に応じて極めて短期間にリソースを準備でき、ハードウェアの調達やキャパシティープランニングにかかっていた時間や労力が不要になりました。データセンターなどのファシリティへの投資は、クラウド事業者が担ってくれます。一度に膨大な費用を掛けることなく、縮小や停止が容易なため、投資の柔軟性が高まるというのも大きなメリットの1つです。サーバ保守のレガシーなサイクルから解放されることを魅力と捉えるIT管理者も少なくないでしょう」(後藤氏)

 またAWSは、登場以来さまざまなマネージドサービスを提供しており、それらを上手に組み合わせることで迅速にシステムを構築でき、運用コストを低減できる。こうしたさまざまなメリットを求めて、世界中で100万以上のユーザーがAWSを活用している。

証券システム基盤を10カ月で構築

 3タップで株取引が可能となる証券取引サービス「One Tap BUY」を提供する、スマホ証券のOne Tap BUY社は、cloudpackとの協業で証券システム基盤をAWS上に10カ月で構築することに成功した。レガシーなシステムであれば、1〜2年は優にかかっていたところだろう。金融業界としては異例のスピードだ。

既存SIerとの連携も強み

 また近畿大学では、教務学生、入試、人事評価などの業務システムをAWSへ移行する3カ年計画が進行中だ。このプロジェクトの遂行に当たり、AWSのプロフェッショナルとしてcloudpackが参画した。近畿大学は以前から一部のシステムでAWSを利用していたこともあって、AWSのコストメリットについては熟知していた。業務システムの移行に当たって、学内の説得材料となったのはセキュリティと可用性だ。AWSの豊富な機能やマネージドサービスを活用することで、クラウドのメリットを最大限に生かすことができるという点を説得材料に、学内の承認を得たという。

 後藤氏は近畿大学の移行プロジェクトの特長として、「既存のシステムインテグレーター(SIer)とのパートナーシップが挙げられる」と語る。cloudpackがインフラの設計、構築と運用に責任を持つことで、既存のSIerはアプリケーションの開発や運用に集中することができる。「私たちとしても、ユーザー企業の業務アプリケーションに精通したSIerは貴重なパートナーです。cloudpackの持つクラウドやAWSに関する知見とノウハウを、SIerの方々にも大いに活用していただきたいと思います」(後藤氏)

ユーザー企業が安心してサービスを受けられる体制

cloudpack 菊地康之氏

 AWSには70種類以上のサービスが存在し、上手に組み合わせればシステムを最適化して運用コストの低減も図ることができる。しかしその組み合わせが重要なポイントで、不慣れなユーザー企業にとって困難な部分でもある。その点、クラウドやAWSの特性をよく知り、いわゆる“バッドノウハウ”も蓄積してきたcloudpackだからこそ、ユーザー企業やSIerにえりすぐりのベストプラクティスが提供できる。IT管理者向けのアカウント管理ツールを独自に開発、提供するなど、受託開発会社としてスタートしたアイレットの開発力にも注目したい。

 「cloudpackは約140人のスタッフで運営していますが、そのうち約120人がAWSに精通したエンジニアです。私たちが得意とするのは、“既に稼働しているシステムをクラウドでどのように良くしていくか”というもので、信頼性を高め、長く利用し続けられるシステムを目指しています。運用チームと構築チームは密接に連携し、最適なシステムを作り上げることに注力しています」と、セクションリーダー シニアサポートエンジニアの菊地康之氏は説明する。

 菊地氏はオンプレミスシステムをAWSへ移行するに当たって、「クラウド独自の文化や、担当者の“慣れ”と“AWSになじむこと”が重要」だと指摘する。急な変化を強制するのではなく、新しいシステムや業務外のシステムからまずは使ってみることが大切だ。cloudpackには、そのための長期的な計画を全面的にバックアップする体制がある。

図2 cloudpack流、構築フェーズの例

 cloudpackは、プライバシーマークやISMS適合性評価制度(情報セキュリティマネジメントの標準規格)の他、PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)やSOC2 Type1(内部統制の保証報告書)などの厳しい第三者認証を受け、新しいユーザー企業が安心してサービスを受けられるような体制を整えている。またサービスレベルを明確化することもポリシーとして掲げており、サービスメニューの比較だけでは他社との違いが分かりにくいことの多いSLO(サービスレベル目標)やSLA(サービスレベル保証)などを明確化し、ホワイトペーパーとして公開している。cloudpackのホワイトペーパーは、AWSの考え方や取り組みについても、一般ユーザーが読みやすいドキュメントとしてまとめているので、ぜひ参考にしていただきたい。

 「当社のユーザーは、私たちのある種“諦めない姿勢”を気に入ってくれているようです。どのような要望であっても逃げずに何とかしてくれる、駆け込み寺のようなイメージが口コミで広がり、問い合わせが増えています。AWSへの移行で問題や悩みがある場合には、ぜひ私たちにご相談ください」(後藤氏)

※以下のアンケートに回答すると、詳しい資料を閲覧・ダウンロードできます(「続き」ではございません)。


提供:アイレット株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部