Microsoftは、オープンソースソフトウェア開発の問題点に着目し、解決する取り組みに着手した。同社が立ち上げた「Project Olympus」とは?
Microsoftは、オープンソースソフトウェア開発におけるアジャイル(俊敏性)とコラボレーションの原則をデータセンター向けハードウェアにも適用したいと考え、「Project Olympus」と銘打った施策を実行に移した。
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このプロジェクトは、「Open Compute Project」(OCP)への関与を拡大し、新しいハードウェア開発モデルの構築を目指している。そのモデルは、旧来のモデルに比べてオープンでコラボレーションの度合いが高い。このプロジェクトに貢献したメンバーには、より早期からMicrosoftの製品設計への関与を認めるとしている。
つまりMicrosoftはOCPのメンバーに、データセンター向けハードウェアについて完成前から設計プランの詳細にアクセスできると確約したことになる。設計情報は、そのデザインがほぼ完成した段階になってリリースされるのが業界の通例だった。
OCPはFacebookが2011年に設立したもので、Microsoftは2014年にこのコミュニティーに加入した。このたび発表されたプロジェクトは、データセンター向けハードウェアのサプライヤー同士が、設備のデザイン(設計)に関するベストプラクティスを共有できるようにして、設備の構築方法に関する知識の共有が活発に行われることを狙っている。
MicrosoftのAzureハードウェアインフラストラクチャ部門ゼネラルマネジャー、クシャグドラ・バイド氏は、コンバージドインフラを手掛ける企業DatacenterDynamicsが2016年11月に英ロンドンで開催したカンファレンス「Europe Zettastructure」に登壇。この戦略は(ハードウェアの)設計を進める方法について、オープンソースのコミュニティーに早い段階からの発言権を与えることを狙ったものだと語った。
「われわれはOCPコミュニティーでの活動を続けるうちに、オープンハードウェアの設計手法に改善点が多数あると実感した」と同氏は説明する。
「オープンソースソフトウェアは、誰かがプロジェクトを立ち上げ、それをGitHubに展開する。人々がそれに加入して、さまざまなすばらしい進化が起こる、という流れを経験している。一方オープンソースのハードウェアでは、設計が完成間近になってから、ようやく多数の貢献がなされるという傾向がある」
その結果、提案されたハードウェア設計をコミュニティーでレビューし、その設計に対する貢献をすることで、完成版のデザインリリースに時間がかかり過ぎるという事態も発生している。
また、設計プロセスの中で1つの取り組みを公開せずに長く保持したままにしておくことは、コミュニティー内での重複作業の発生につながるリスクもある。
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