あなたの企業のハイブリッドクラウドが「理想のIT環境」になり得ない理由適材適所のクラウド活用の光と影

ハイブリッドクラウドを実現すれば、安全で柔軟性に優れた理想のIT環境が得られるとされているが、現実はそう甘くない。適材適所のクラウド採用は運用負荷増大にもつながる。

2016年12月27日 10時00分 公開
[ITmedia]

 企業ITにおけるクラウドの利用は、今やすっかり当たり前になった。いち早くクラウド利用に乗り出したアーリーアダプター企業の中には、既にクラウドを運用し始めて5年近くたったところもある。その結果、クラウドのメリットとともに、そのウイークポイントも徐々に明らかになりつつある。

 例えば、かつては「とにかくクラウドは安い」と言いはやされていた向きもあったが、企業システムに必要なレベルの性能や可用性を確保するためには多くのリソースやオプション機能が必要となる。結果としてある程度長期にわたって運用した場合、必ずしもオンプレミスのシステムより安くなるとは限らないことが徐々に明らかになっている。

 また業界によっては、重要データをクラウドに置くことがポリシー上許されていないこともある。クラウドに対するセキュリティ上の懸念は以前と比べればかなり払拭(ふっしょく)されたとはいうものの、まだどうしても超えられない壁があることも事実だ。

 こうしたことから、今後の企業システムが目指すべき姿は、オンプレミス(あるいはプライベートクラウド)とパブリッククラウドを適材適所で使い分ける「ハイブリッドクラウド」であるとの見解が主流を占めつつある。事実、既に多くの企業が自社システムのハイブリッドクラウド化に向け検討を始めているが、そこで最大のネックとなるのが運用効率だ。ただでさえ、限られた人員と予算の中で社内システムをやっとの思いで回しているのに、これにクラウドまで加わるとなると、運用管理に破綻を来たすであろうことは目に見えている……。

 ハイブリッドクラウドに移行しつつ、同時に運用もコンパクトにする。そんなことが、果たして可能なのだろうか。


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