医療機関に従事するTechTargetジャパン会員を対象に「医療機関のIT導入に関する調査」を実施。本レポートではその概要をまとめた。
TechTargetジャパンは2016年10、11月、医療機関に従事するTechTargetジャパン会員を対象として「医療機関のIT化に関する読者調査」を実施した。調査結果から、医療機関のIT化の状況や導入済み・導入予定の製品、製品の満足度、関心のある医療ITトレンドなどが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。
目的:医療機関に従事するTechTargetジャパン会員を対象に、医療機関におけるITシステム導入の現状や満足度、課題、製品選定で重視するポイントなどを明らかにするため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2016年10月17日(月)〜11月25日(金)
総回答数:93件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
導入しているシステムの種類を聞いたところ、全体の72.0%が「医事会計(レセプトコンピュータ)システム」を導入済みだと回答した。レセコンと並ぶ医療ITの代表格である「電子カルテ」の導入率は55.9%だった。今後導入予定のシステムは「スマートフォンやタブレットによるシステム利用」(35.5%)、「経営分析支援システム」(24.7%)、「在宅医療支援システム」(22.6%)が上位に挙がった。
導入済みシステムの中で、最も導入・更新したいシステムとしては「電子カルテシステム」が最も多く(23.0%)、「スマートフォンやタブレットによるシステム利用」(13.5%)、「地域医療連携システム」(12.2%)の順に挙がった。
質の高い医療を提供するという課題に対して、ITが貢献できる場面はさまざまだ。今後投資を予定・検討している医療ITトレンドとしては「クラウドサービス(医療クラウド)」「仮想化技術を活用したシステム構築(サーバ仮想化/デスクトップ仮想化)」が同率(36.6%)で上位に挙がった。「情報セキュリティ対策(標的型攻撃、情報漏えい、ランサムウェアなど)」も35.5%と高い割合を示している。
医療機関の扱う診療情報には、患者の氏名、住所、既往歴といった機密情報が多数含まれている。昨今では医療機関を狙うランサムウェア(身代金要求型マルウェア)被害も増加傾向にあり、サイバーセキュリティに対する危機意識は高まっている。診療情報の漏えいに関しては「とても危機意識を持っている」「多少は危機意識を持っている」を合わせた回答は83.9%となった。
その他、「導入中の電子カルテベンダー」「導入済み電子カルテシステム全体の満足度」「導入済み電子カルテに対する不満の理由」「今後の電子カルテ導入予定・時期」などに関する調査も実施した。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.