マルチチャネル時代に生きる、コールセンターの新たなCRM戦略閉ざされたコールセンターの情報を全社活用へ

コールセンターの顧客接点は電話やメールだけにとどまらない。顧客にまつわる情報共有を強化し、企業のCRM戦略に生かすためにはどのような環境構築が必要となるのだろう。

2017年05月23日 10時00分 公開
[ITmedia]

 企業の顧客接点として長い歴史があるのはコールセンターだ。もともとは電話での顧客応対が中心だったが、現在ではCRM(Customer Relationship Management)の重要な1要素と目されることが多くなっている。つまり、今やコールセンターは電話やメールなどのさまざまなチャネルを通じて、顧客とのよりよい関係の維持・発展、さらには企業戦略への貢献を担う部門として期待が高まっているのだ。

 しかし、実際のコールセンターの現場では、本当の意味でのCRMを確立できておらず、問い合わせやクレーム対応など、単なる「顧客対応窓口」にとどまっているケースも多い。CRMを視野に入れてシステムを構築したにもかかわらず、顧客対応の効率化や品質維持にとどまり、売り上げ拡大などの効果は生み出せず悩む企業も多いようだ。

 さらに、近年ではインターネットやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)による顧客との直接的なコミュニケーションの拡大もコールセンターと企業活動自体に大きな影響を与えている。消費者行動の変化に伴い、顧客対応の手法も変えなければならない局面に来ているのが実情だ。そこで日本でコミュニケーションツールとして幅広く浸透している「LINE」を新たな顧客接点として用い、効率的にコミュニケーションを取りたいというニーズが顧客側でも企業側でも急増している。

 もちろん、これまでにもメールでの対応は行われていたわけで、LINEを顧客接点とするのはその延長線上にすぎないとも捉えられる。ただ、コールセンターが顧客接点として管理しなければならないチャネルは今後も多様化・複雑化していく傾向にあることは間違いないだろう。こうした状況に対し、CRMのあるべき姿を実現し、より直接的なビジネス効果を生み出すためには何をすべきか。具体的に解説していこう。


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