「HCI」は“ゴール”ではない? その先にある次世代ITインフラの具体像とは「中継点」としてのHCI

新たなITインフラの構築手段として採用が進む「HCI」。ただしHCIを“ゴール”だと捉えるのは早計だという。その理由とは何か。HCIの先には、何があるのか。

2018年03月27日 10時00分 公開
[ITmedia]

 サーバ、ストレージ、ネットワークを任意に組み合わせる「3ティア」(3階層)、垂直統合型ともいわれた「コンバージドインフラ」(CI)を経て、ITインフラの最新アーキテクチャとして急速に普及が進んでいるのが「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)だ。HCIはサーバの仮想化技術に加え、ストレージの仮想化技術や統合運用管理製品をあらかじめ組み込んでいる。HCIで構築したITインフラは、サーバの追加で性能を向上させるスケールアウトの実現が可能だ。

 小さく始めて急速に拡大するWeb系スタートアップ(創業間もない企業)のシステムはもちろん、既存企業のITインフラの更新タイミングで、HCIを検討対象とする動きが広がり始めている。これには2つの理由がある。1つ目はHCIの大きなメリットでもある、運用負荷の削減効果の重要性が高まっていること。2つ目は、安心して本番稼働システムに投入できる、成熟したHCI製品が出そろってきたことだ。本稿はHCIの現状を概観した上で、HCIの先にある新たなシステム構築の在り方を探る。

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